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マクロゴールによるアレルギー

2019.05.30

投稿者
クミタス

医薬品添加物として使用されるマクロゴールは、日本薬局方または医薬品添加物規格での規格を満たすポリエチレングリコールになります。マクロゴールは吸水性に優れ薬剤の放出も良く、平均分子量により液状(400)、ワセリン状(1500)、粉末などの固状(高分子。4000、6000)のものがあり、皮膚外用剤や座薬、経口薬、麻酔薬など様々な薬剤、歯磨き剤の基剤として医療用医薬品やOTC医薬品で使用されていることがあります。

マクロゴール含有薬剤によるアナフィラキシーは、今までにも報告されており、大腸内視鏡の前処置薬ニフレック、ナウゼリン座薬などでの報告がありますが、小児での報告もなされています。

2歳ごろから蕁麻疹が出現するようになり、初めてアレロック細錠を内服した際に蕁麻疹の増悪、咳が出現した。当時はレスタミンコーワクリーム外用剤使用後に蕁麻疹が増悪し、歯科でキシロカインポンプスプレー8%での局所麻酔後に大量嘔吐、蕁麻疹が出現した。パッチテストで陽性、皮膚プリックテストで高分子マクロゴールに陽性であることなどから、マクロゴールアレルギーと診断された(出典・参照:アナフィラキシーを繰り返しマクロゴールアレルギーと診断された3歳男児例)。

マクロゴールはアレルギー症状を鎮静する目的の薬剤にも使用されていることがあり、2019年6月5日現在では、レスタミンUコーワ錠(OTC医薬品)、アレロック(アレロック錠5にはマクロゴール6000、アレロック顆粒0.5%にはマクロゴール4000)、またアレロック錠5のジェネリック医薬品であるオロパタジン塩酸塩錠5mgサワイなどにも含有されています。

化粧品などに使用されるポリエチレングリコールや皮膚外用剤に使用されるマクロゴールに経皮感作し、経口薬を服用、座薬や麻酔薬投与後にアレルギーを発症する可能性も示唆されていますが、薬剤使用後に症状が出現した場合は、共通して使用される物質に反応を示している場合もありますので、使用薬剤名などを記録しておけるのが望ましいでしょう。

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