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皮膚プリックテストと食物経口負荷試験

2019.06.12

投稿者
クミタス

食物摂取後にアレルギーとみられる症状が出現し、因果関係が疑われる場合に、可能性のある食物について特異的IgE抗体検査や皮膚プリックテストがおこなわれています。皮膚プリックテストにより膨疹が出現した場合、陰性コントロールよりも膨疹径が3mm以上大きい膨疹であると陽性とされます。抗原により異なりますが、皮膚プリックテストでの膨疹径が一定以上のサイズであることは耐性化しにくい状態であると見られており、牛乳では膨疹径6mm以上を耐性化阻害指標とする報告や、小麦では5mm以上が耐性化を阻害する因子である可能性も考えられています。

鶏卵の食物経口負荷試験を複数回実施しており、実施前に皮膚プリックテストの結果が確認できていた23人において、食物経口負荷試験は計58件実施し、皮膚プリックテストの結果がすべて陰性であったのは18人で、皮膚プリックテストでの膨疹径が縮小しているのは11人、2人が不変、増大していたのは5人。経過中に食物経口負荷試験が陽性になったことがある児は7人、皮膚プリックテストの膨疹径増大時に食物経口負荷試験が陽性となったのは4人で、食物経口負荷試験結果陽性後、皮膚プリックテストで膨疹径縮小後に食物経口負荷試験結果陰性となったのは5人であり、皮膚プリックテストでの膨疹径が縮小していると食物経口負荷試験結果が良好となる例が多いとの報告もなされています(出典・参照:皮膚プリックテストの経過と食物負荷試験に関する検討)。

皮膚プリックテストで陽性であっても、そこから皮膚プリックテストでの膨疹径が縮小傾向にある場合、食物経口負荷試験をより安全に進められる可能性があるとの示唆になりますが、また今後も耐性獲得因子に関する情報をアップデートしていきたいと思います。

アナフィラキシー歴のある児における耐性獲得に影響する条件とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2790

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