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血清TARC値の上昇~アトピー性皮膚炎以外が原因である可能性も

2019.07.16

投稿者
クミタス

血清TARC値はアトピー性皮膚炎の病勢を示す指標として用いられることがあり、血清TARC値の測定は2008年よりアトピー性皮膚炎に保険適用となっています。血清TARC値が高値時には、アトピー性皮膚炎の重症度が高い傾向がありますが、血清TARC値はアトピー性皮膚炎以外が原因でも上昇する場合があるとの示唆もあります。

血清TARC値が正常値上限以上であったが、アトピー性皮膚炎の湿疹を伴っておらず、他疾患で上昇したと考えられた症例について、診療歴を用いて後方視的に検討したところ、
新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症 4人
急性蕁麻疹 3人
急速経口免疫療法の合併症 3人
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES) 2人
薬疹 2人
ワクチン接種部位の著明な膨脹 1人
自家感作性皮膚炎 1人
多形滲出性紅斑 1人
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 1人
の方で該当していた(出典・参照:アトピー性皮膚炎の湿疹を伴わずに血清TARC値が上昇した症例の臨床的検討)。

血清TARC値は皮膚病変の程度を短期的に反映する指標として、血清TARC値の高値はアトピー性皮膚炎に特に特異性が高いと見られていますが、アトピー性皮膚炎以外の炎症性の皮膚疾患などや皮膚T細胞リンパ腫、水疱性塁天然痘などでも高値との報告もあります。
上記検討では皮膚と腸管に炎症がある疾患で、血清TARC値の上昇が見られていますが、今後も他報告なども掲載していきたいと思います。

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