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クドアによる食中毒

2019.08.06

投稿者
クミタス

クドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata。和名:ナナホシクドア)は、ミクソゾア門という生物群に属す粘液胞子虫類の一種になります。クドア・セプテンプンクタータは魚の筋肉中に寄生し胞子として留まり、一定量以上寄生した​ヒラメを摂食してクドア食中毒を起こすことがあります。
ヒラメの筋肉1gあたりのクドアの胞子数が1.0x10の6乗個を超えることが確認されると、違反品として取り扱われます。現状では輸入、国産、養殖、天然に関わらず寄生したヒラメが確認されることがありますが、魚間で直接感染が広まる可能性は低いとみられ、同じ養殖場内でも寄生数に差がある、寄生がみられないヒラメが存在することもあります。

症状としては、下痢が79.7%、次いで嘔吐(57.6%)が多く、潜伏期の中央値は5.0時間(範囲:1.0~22.0時間)で、24時間以内に症状が治まることが多い傾向が見られています。クドア・セプテンプンクタータが死んでいる状態では胃から分泌される消化酵素に分解されやすく、生きている状態では分解されにくいとの示唆もあり、予防策として-20℃で4時間以上の冷凍、または、中心温度75℃5分以上の加熱により病原性が失われるとの示唆があります。
夏の発症が多く、ヒラメのお刺身などを食べて下痢、嘔吐がある場合は、クドア食中毒である可能性を視野に、脱水症状をおこさないためにも水分補給をおこない、嘔吐、下痢症状が強い場合は受診できるとよいでしょう。

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