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除去の状況と背景 9.22更新

2019.09.08

投稿者
クミタス

アレルギー発症を恐れて未摂食の状態が続いていたり、アナフィラキシーリスクを鑑み、そばやナッツの摂食を控えていたり、魚卵などで1つの種類でアレルギー症状が出現した場合に、すべての魚卵の摂食を控えるケースも見られています。
6歳児までのアレルギー症状、除去の状況については以下で掲載していますが、
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1624
1歳児のアレルギー発症、摂食状況がうかがえる報告として以下などがあります。

2014年10月〜2014年12月の3か月間、65施設の小児科外来において、麻しん風しん混合ワクチン1期の接種を目的に受診した1歳児の保護者を対象とし、それまでの食物アレルギー症状と思われる症状の有無と食物除去についてアンケート調査を行ったところ、853例の調査票の中で31.1%でこれまでに食物アレルギーと思われる症状が出たと回答し、症状としては顔などの部分的なじんましんや痒みが最も多かった。
現在何らかの食物を除去している方は27.8%で、このうち29.9%は複数の食物除去を行っていた。除去を医師の指示で行っていたのは57.8%であり、24.6%は保護者の判断であった。
除去理由は、医師の指示の中では、血液検査が82.6%と最も多く、保護者判断の中では、アレルギーが怖いからが49.0%と最も多かった(出典・参照:1歳児を対象にした食物除去の実態調査)。

医師からの指示以外で除去をするようになった背景として、比較的にアレルギーを起こす方が多い傾向の食物や、アレルギー症状が重い傾向の食物を食べさせるのが怖い、特異的IgE値陽性であったため低値ではあったが食べるのを控えさせた、子どものかゆみや発疹が食べ物が原因ではないかと不安になった、症状が出現した際に適切な対応が困難、などが例として挙げられます。
除去解除に至る契機として、現状に不安がある、正しい治療法を把握したい、子どもの栄養や成長に不安があった、などが挙げられ、多品目に渡る不要な除去を解除できることで、食事の用意や外食時の負担軽減、また授乳中の母親の食事も制限している場合は母親の栄養上においても良い面もあり、子どもと食事を楽しむ余裕が生まれることにもつながり得ます。
アレルギー専門医への受診により、食べられるものと食べられないものを明確にし、適切な対応を取ることにより不安や負担も軽減できるのが望ましいでしょう。

出典・参照:不適切な食物除去が食物アレルギー患者と保護者に与える影響 国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部・小児科

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