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季節と食物アレルギーとの関連性に関する報告例

2025.02.21

投稿者
クミタス

アレルギーと季節との関連については、いままでにも掲載しておりますが、
アレルギーと季節の関係
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2632 
アレルギー性疾患発症とDNAメチル化、誕生時の季節との関係
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1316
季節と食物アレルギーとの関連性に関する報告に関して掲載します。
 
対象は当科で小麦の食物経口負荷試験を実施し、陽性と判定された0-6歳で、 2017年1月から2023年5月までの期間を後方視的に調査した。食物経口負荷試験実施月から春秋群と夏冬群に分類し食物経口負荷試験の結果を比較した。解析項目は、月齢、性別、アレルギー疾患の合併症及び家族歴、吸入ステロイドの使用。 総IgE値及び抗原特異的IgE値、食物経口負荷試験の臓器別症状、使用薬剤、Anaphylaxis Scoring Aichi(ASCA)とした。解析対象は76例で、春秋群42例、夏冬群34例だった。
2群間で月齢、男女比、小麦の即時歴及びアナフィラキシー歴、アレルギー疾患の合併、吸入ステロイド使用率、特異的IgE値に差はなかった。食物経口負荷試験時の臓器別症状は、春秋群、夏冬群でそれぞれ皮膚症状 76%、82%、呼吸器症状 52%、32%でいずれも差がなかった。食物経口負荷試験時の抗ヒスタミン薬、β2刺激吸入薬の使用率に差はなかったが、アドレナリン筋肉注射を実施した4例は春秋群のみで、3例が呼吸器症状によるものであった。Anaphylaxis Scoring Aichi(ASCA)平均値はそれぞれ16点、10点で有意に春秋群が高かった(p=0.027) (出典・参照:渡邊優 緒方美佳 横山智美 右田昌宏 水上智之 国立病院機構熊本医療センター 季節が小麦の食物経口負荷試験結果に及ぼす影響についての検討)。
 
上記では、季節は小麦の食物経口負荷試験結果に影響する可能性を示唆しています。
食物経口負荷試験における症状誘発因子に関しては以下もご覧下さい。
少量食物経口負荷試験における症状誘発因子の検討から①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4000 

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