Author クミタスさん
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2019.10.28
天ぷらやから揚げ、フライなど揚げ物には油を使用し、揚げ物の衣には油が含まれ、また素揚げの場合も油が吸収されますが、どの程度の量になるのでしょうか?
食材100gに対する吸油率としては以下目安量が考えられています。
吸油率(%)
・素揚げ 10%(素材100gに対する吸油率)
・から揚げ、ころも揚げ 10%(素材90g+衣(小麦粉5g、卵5g)の計100gに対する吸油率)
・天ぷら、普通衣 10%(素材90g+衣(小麦粉5g、卵5g)の計100gに対する吸油率)
・天ぷら、厚い衣(かき揚げなど) 15%(素材84g+衣(小麦粉8g、卵8g)の計100gに対する吸油率)
・フライ、普通衣 10%(素材85g+衣(小麦粉5g、卵5g、パン粉5g)の計100gに対する吸油率)
・フライ、厚い衣(串カツなど) 15%(素材76g+衣(小麦粉8g、卵8g、パン粉8g)の計100gに対する吸油率)
脂身付き肉のように食材中の脂質量が多い場合は、食材中の脂質が揚げ油中に溶出することで、食材中の脂質量よりも揚げ物中の脂質量の方が減っている場合もあります。
さつまいもの天ぷら:さつまいも102g+衣19g(天ぷら粉6.2g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中6.6gの脂質量増加(生のさつまいもの状態から)
⇒調理後100g中6.5gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
なすの天ぷら:なす91g+衣35g(天ぷら粉10.1g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中13.8gの脂質量増加(生のなすの状態から)
⇒ 調理後100g中13.6gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
えびの天ぷら:バナメイエビ98g+衣31g(天ぷら粉12.4g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中9.7gの脂質量増加(生のバナメイエビの状態から)
⇒ 調理後100g中9.5gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
あじのフライ:まあじ86g+衣21g(小麦粉3.7g、パン粉8.5g、卵液8.7g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中14.3gの脂質量増加(生のバナメイエビの状態から)
⇒ 調理後100g中12.8gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
とんかつ(豚ロース脂身付き):豚ロース脂身付き肉110g+衣24g(天ぷら粉5.2g、パン粉10.2g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中12.2gの脂質量増加(生の豚ロース脂身付き肉の状態から)
⇒ 調理後100g中11.4gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
とんかつ(豚ヒレ肉):豚ヒレ肉103g+衣31g(天ぷら粉7.6g、パン粉11.2g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中21.5gの脂質量増加(生の豚ヒレ肉の状態から)
⇒ 調理後100g中20.6gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
から揚げ(若鶏肉もも 皮つき):若鶏肉もも 皮つき肉134g+衣19g(から揚げ粉19.1g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中0.9gの脂質量減(生の若鶏肉もも 皮つき肉の状態から)
⇒ 調理後100g中1.2gの脂質量減(衣付き 調理前の状態から)
から揚げ(若鶏肉もも 皮なし):若鶏肉もも 皮なし肉123g+衣19g(から揚げ粉19.2g)+揚げ油
⇒ 調理後100g中5.3gの脂質量増加(生の若鶏肉もも 皮なし肉の状態から)
⇒ 調理後100g中5.1gの脂質量増加(衣付き 調理前の状態から)
食材、衣の有無、衣の原料、油の温度、揚げ時間などによっても吸油程度は異なりますが、上記は参考値としてとらえていただければと思います。
資料:日本栄養改善学会監修:食事調査マニュアル はじめの一歩からの実践・応用まで 改訂2版、152(2008)南山堂
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
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