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化膿性股関節炎とアトピー性皮膚炎

2019.11.13

投稿者
クミタス

新生児ではレンサ球菌、乳児では黄色ブドウ球菌、幼児前半期はインフルエンザ菌、幼児後半期以降は黄色ブドウ球菌、またメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)などが起炎菌となり、扁桃腺、尿路、歯肉、気道経由などで血管に侵入し股関節に到達し股関節に炎症をおこす、化膿性股関節炎を発症することがあり、ほかに全身の血管内に細菌が繁殖し組織や臓器を障害する敗血症や、骨髄炎から波及、けがや注射などによって細菌が直接関節内に入ることでの発症可能性もあります。成人では感染に対する抵抗力が落ちている場合に発症リスクがあり、糖尿病、膠原病などでステロイド治療を受けている方、血液透析などで治療中の方がリスク群となり得ます。化膿性股関節炎発症後に化膿性膝関節炎を発症した例も見られています。
症状としては、発熱、悪寒、食欲不振、全身倦怠、下肢が動きにくい・関節可動域に制限がある、関節付近の圧迫痛、脱臼などが挙げられ、乳幼児ではおむつを替えるときに強く泣くといったことから気づくことがあります。

化膿性股関節炎は、基礎疾患にアトピー性皮膚炎がある方での発症例もあり、基礎疾患としてアトピー性皮膚炎があり、化膿性股関節炎を発症している方の股関節液培養から黄色ブドウ球菌が検出されることもあります。
アトピー性皮膚炎患者さんでの発症経緯として、掻破した皮膚経由で、バリア機能が低下した皮膚に付着した菌が入り込むことが要因となる可能性も示唆されています。
アトピー性皮膚炎などの皮膚病変からウイルスが侵入することで発症するとみられるカポジ水痘様発疹症などもありますが、皮膚病変はできるだけ早めに改善できるのが望ましいでしょう。

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