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喫煙者における傾向~主にアレルギーの観点で

2019.11.26

投稿者
クミタス

タバコの煙には化合物が多く含まれており、健康を損害する成分は200種類以上とも言われています。受動喫煙による影響についても様々な示唆がなされていますが、喫煙者自身における主にアレルギーの観点、皮膚疾患における影響として、以下などが考えられています。

・喫煙者では血清の総IgE値が非喫煙者に比べて高値となる傾向が見られる
(比較的若年で喫煙歴が長いとその傾向が特に強い可能性)

・カビ特異的IgEも高値になる傾向
喫煙者においては吸入抗原であるカビの特異的IgEも高値となる傾向が見られるとの示唆もあります。

・好酸球数値が高値になる傾向
喫煙、喫煙再開と好酸球性疾患との関連についてはまた別途お送りしたいと思いますが、喫煙開始後1カ月内に急性好酸球性肺炎の発症なども見られ、たばこの銘柄を変えた後で発症、フィルター無たばこへの変更後の発症例などもあります。

・喫煙によりサイトカインTSLPの発現が亢進
TSLPは、Th2免疫応答を誘導するサイトカインの1つですが、アレルゲン感作の関与が少ない成人喘息の発症には、喫煙を介したTSLPの発現亢進が重要な役割を果たしている可能性がある、との示唆もなされています。

・掌蹠膿疱症の発症
手のひらや足のうらに、水疱や膿疱がくり返しできる皮膚疾患で、発症者に占める喫煙者率が高く、特に喫煙をはじめて10~30年くらいの方での発症が多い傾向が見られています。掌蹠膿疱症は金属アレルギーとの関連も示唆されています。

・尋常性乾癬
発症されている方での喫煙率が比較的高い結果がみられており、タバコに含まれる物質が乾癬悪化要因となる場合があると考えられています。

喫煙者の方が皮膚角層の重層剥離量が多く、皮膚が乾燥し、かさかさした状態になりやすくなる可能性についての示唆もみられていますが、喫煙とアレルギー性疾患との関連については、今後も掲載していきたいと思います。

出典・参照:健診者における血清IgE値に対する喫煙歴と年齢の影響
アレルゲン特異的IgE反応性から分類した喘息フェノタイプ : Thymic stromal lymphopoietin (TSLP)遺伝子と喫煙の役割

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