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喘息発症とウイルス感染、IL-33

2019.12.30

投稿者
クミタス

喘息の発症因子の1つにウイルス感染が挙げられますが、
ウイルス感染と喘息
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3038
風邪やインフルエンザを発症し入院が必要となった小児において、その後喘息を発症する方の割合はどのくらいなのでしょうか?

2014年4月~2017年3月までに下気道感染症で入院した4歳以下の患児を対象に、副雑音を呈し、気管支喘息急性増悪発作に準じた治療がおこなわれた児の背景や治療内容、退院2年後の段階で気管支喘息の診断を受けているかを調べたところ、
該当は276人(男158人、女118人)、年齢の中央値は1歳4か月(1か月~4歳11か月)、全身性ステロイド薬が194人(70.3%)に使用され、主治医の判断で奏功していると考えられた症例は108例であった。追跡調査が可能であった203人(73.6%)のうち乳幼児喘息の診断を受けたのは78人(38.4%)であった。
喘息発症時に必ずしもアレルゲンの感作を認めておらず、血清IL-33は上昇を認めていた(出典・参照:下気道感染症に合併した喘鳴の臨床像とその後の乳幼児喘息発症に関する検討)。

IL-33はサイトカインの1つで、IL-33はTh2型のアレルギー性気道炎症を病態とする気管支喘息に関与していると考えられていますが、肥満細胞がアレルゲンに結合したIgEによって刺激された場合には気管支喘息を悪化させますが、IL-33で刺激された場合には、制御性 T 細胞を増やし気管支喘息を抑制する面もあるとも示唆されています。

乳幼児喘息においては、風邪やインフルエンザを発症した後で、喘息を発症する場合もある一方で、風邪やインフルエンザウイルス感染後に免疫寛容が成立している場合もある可能性が考えられるところでもあります。今後もIL-33の気管支喘息における関与について、情報をアップデートしていきたいと思います。
 

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