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タラによるアレルギー

2020.04.14

投稿者
クミタス

タラはかまぼこの原料として使用されることも多い魚で、タラコ、タラの白子、タラ由来のフィッシュコラーゲンまたタラ加工品のつまみなどの摂食機会もあります。
魚の主要アレルゲンの1つにパルブアルブミン(PA)が挙げられ、魚に共通して存在していますが、魚種により分子構造に違いが見られています。
タラのパルブアルブミンである Gad c 1 と他の魚のパルブアルブミンにおいては、ニジマスの Onc m 1 、サケ(大西洋) Sal s 1 、カレイ Lep w 1とは60%前後の相同性、メカジキ Xip g 1 、タラ(大西洋) Gad m 1、キハダマグロ Thu a 1とは70%前後、コイ Cyp c 1 は73%前後の相同性があるとの示唆もあります。

パルブアルブミン(PA)以外では、コラーゲンも魚の主要アレルゲンになりますが、タラにおいても主要アレルゲンの1つとなります。
パルブアルブミンは熱耐性があり、100℃超である程度の加熱時間での高温加熱や高圧処理により抗原性は低減し得る面はありますが、水溶性タンパク質のため、魚の身を水でさらす、水さらし処理(かまぼこづくりの際の工程)によりパルブアルブミン量は低減します。一方、コラーゲンは水溶性でないため、低減しにくい面があります。
フィッシュコラーゲン、マリンコラーゲン、海洋性コラーゲンにおいては、タラを原料とする製品もあります。魚類コラーゲンがアレルゲンとなっている場合において、複数魚種のコラーゲンに反応する場合がありますので、魚類コラーゲンがアレルゲンの方は、含有栄養・美容ドリンク、食品などにもご留意ください。

タラにおいてはアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼもアレルゲンとなるとみられています。
またマイナス20℃で24時間以上(中心部まで)凍結すると死滅するとみられるアニサキスですが、タラ切身、タラ白子、タラコにアニサキスが生きた状態で寄生している場合もありますので、アニサキスによる食中毒(アニサキス症)予防のうえでは、目視で確認のうえアニサキス幼虫の除去、加熱調理ができるのが望ましいでしょう。

たらこによるアレルギー
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