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2020.09.12
治療薬として使用している薬剤によるアナフィラキシーを生じることがありますが、治療薬によるアナフィラキシーを機として喘息発作が起こる例もあります。
喘息発作の既往をもつ7歳男児。呼吸苦を主訴に、救急外来を受診。β2刺激薬吸入後も改善に乏しく、メチルプレドニゾロンを静注したが、咳が続き徐々に意識消失と全身の強直間代性痙攣が出現。その後、自発呼吸が消失し脈拍触知不能となった。喘息大発作、低酸素脳症の痙攣と考えられ、胸骨圧迫とマスク換気により自発呼吸と循環は回復するも、酸素化不良が続き気管挿管し入院となった。挿管後は速やかに酸素化は改善し、5時間後に抜管、β2刺激薬の吸入。テオフィリン点滴などの治療により喘息発作は軽快した。
入院後もメチルプレドニゾロン静注を継続していたが、直後に咳と喘鳴が出現し、SpO2が低下したため、メチルプレドニゾロンによるアレルギーが疑われ、皮内テストでは陽性であった(出典・参照:喘息発作に対して使用したメチルプレドニゾロンによるアナフィラキシーでnear−fatal asthmaを呈した一例)。
コハク酸エステル型ステロイド薬は、アスピリン喘息患者さんにおいて喘息症状の悪化や発作の誘発を起こすことがありますが、
気管支喘息にて治療中の 63 歳の男性にて、下腿の水泡、疼痛、浮腫と発熱があり、好酸球増加、抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)陽性などから 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断され、メチルプレドニゾロンの点滴治療開始後に発熱、好酸球増多、下肢痛が増悪し、プレドニゾロンの内服に治療を変更したところ、下肢痛、発熱、好酸球増多、炎症反応が改善。メチルプレドニゾロン点滴によるチャレンジテストを行ったところ、発熱、下肢痛、好酸球増多を認めた例も見られています。
薬剤での治療中に症状増悪、あらたな症状が出現し続く場合は、早めに受診し相談できるのが望ましいでしょう。
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