製茶業に従事している方など、業務上、一定量以上の緑茶粉塵に継続して暴露している方においては、咳、鼻汁、鼻閉といった症状が出現することがあります。
緑茶粉塵の充満する労働環境で、製茶業に20年以上従事してきた52歳男性において、3年前から作業中に、咳や鼻症状を自覚し、次第に増悪。職場から採取した緑茶粉塵抽出液の皮内反応が陽性で、吸入誘発試験で即時型喘息反応が確認され、緑茶成分のカテキンでの検査では皮内反応、吸入誘発試験が陽性であり、カテキン、特に緑茶に多く含まれるカテキンの主成分の1つであるエピガロカテキンガレート epigallocatechin gallate(EGCg)が原因物質であることが判明した。
また、約18か月間、緑茶製造工場に勤務していた21歳男性においては、平素緑茶を飲む習慣は全くなく、家族と外食(寿司)した際に緑茶を摂取したところ激しい咳嗽と口唇浮腫が出現。魚介類によるアレルギーが考えられたが、その後出社し緑茶工場に入ったところ、肌の露出部に皮疹が出現。翌日に同様の皮疹に加えて咳と呼吸苦が出現。後日に出された緑茶を摂取し帰宅後、全身の紅斑、膨疹、呼吸困難、眼前暗黒感を伴う意識消失を来たしたため救急病院へ搬送され、緑茶に対するアレルギーが疑われ、精査により緑茶製造工場勤務者に発症した食物アレルギーとして緑茶アレルギーを合併した、緑茶粉塵が原因の職業性喘息であると診断されています。
成人発症の喘息で職業上、特定の物質に曝露する機会がある方に発症が見られる職業性喘息においては、緑茶粉塵以外にもこんにゃく精粉、きのこ胞子、木材粉塵などほかにも原因となる物質が挙げられます。
酵素とアレルギー~職業性喘息
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1689
緑茶、紅茶、ウーロン茶のすべての茶の飲用で喘息症状が誘発される例もみられていますが、職業上継続して緑茶粉塵、茶粉塵に暴露している方で、呼吸器、鼻・眼症状がある場合、茶に接触、摂取した際に皮膚症状、呼吸器・全身症状が出現した場合は、上記可能性も視野に受診のうえ、暴露機会、暴露量低減対策についても検討できるのが望ましいでしょう。
出典・参照:製茶業従事者にみられる職業性喘息、緑茶喘息
茶による食物アレルギーの臨床的検討
緑茶アレルギーを合併した緑茶喘息の1例
塗料等を削り飛ばす用途で使用されるクルミ殻粉の吸引とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2370
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