1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

地下鉄構内の空気の特徴

2020.02.22

投稿者
クミタス

地下鉄構内にいて、カビ臭い、空気が悪いと感じることもありますが、地下鉄構内においては、
・粒子状物質 濃度は屋外と比較して高い
・鉄(Fe) を含んだ粒子状物質が多い
・地下鉄車両ブレーキが粒子状物質の主な発生源となっている可能性がある
などの示唆があり、地下鉄構内の空気の調査では、地下鉄構内の Fe濃度は屋外観測地点と比較して極めて高く、総浮遊粒子状物質で約450 倍、PM2.5で約230倍の高濃度を示し、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などの金属類も、地下鉄構内では屋外観測地点の数十から百倍以上の高濃度であった、との結果も報告されています。

また、地下鉄構内に漏水箇所のある駅、ない駅もあり、駅によっても検出状況に差がありますが、地下鉄駅構内では、屋外で多くみられるススカビは少ないものの、クロカビ、コウジカビ、アオカビ、ススカビなどが空中に浮遊するカビとして検出されることがあり、高湿の地下ホームでは耐乾性真菌のコウジカビの占める割合が高くなる傾向も見られています。
地下鉄駅構内以外にも地下街などでも同様に真菌、細菌が検出されることがあります。カビが異臭を放出することがありますが、地下街で硫黄のにおいがする場合、下水槽等より発生する硫化水素が原因であることがあります。異臭によりヒトの健康に影響が出ることは少ないところですが、火山地帯で発生する程度の高濃度の硫化水素の場合にはヒトの健康、生死に影響を与える場合があります。
オフィスビル、家庭内でも一定量の真菌、細菌が検出されることがありますが、また空気中の環境と症状に関して、また追って掲載していきたいと思います。


出典・参照:地下鉄構内空気中粒子状物質の特性調査
地下鉄構内空気中粒子状物質の特性調査
駅構内の空気室に与える微生物の影響評価

    {genreName}

      {topics}