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2020.02.26
鼻腔・口腔経由でネコやイヌ、またハムスターのアレルゲンの1つである血清アルブミンに感作した後、牛、豚、羊などの肉を摂食して、アレルギー症状が出現することがあります。
これは、ネコ、イヌ、ハムスターの血清アルブミンと交差反応性のある牛、豚、羊などのアレルゲンに反応するためと考えられており、感作から交差反応に数年以上を要するため思春期から若年成人発症例が多いと見られていますが、10歳未満の小児での発症例もあります。
6歳女児。豚肉摂取後に全身の掻痒感や蕁麻疹が反復。住環境は自宅1階が獣医の両親が開業する動物病院で、犬を飼っている。抗原特異的IgEはネコ皮屑、イヌ皮屑、豚肉、豚のアレルゲンSus s 1、ネコアレルゲンFel d 2(血清アルブミン)、イヌのアレルゲンCan f 1とCan f 2とCan f 3(血清アルブミン)が高値(≥50UA/ml)で、プリックテストは生の豚肉と牛肉が陽性であった。
患者血清IgEを使用したウエスタンブロッティングで豚肉とネコ被毛上皮抽出物中の同じ分子量(67kDa)のタンパクに結合を認め、阻害試験で交差反応が確認されたことを基にpork-cat syndromeと診断された。
更に豚肉とイヌ被毛上皮抽出物にも交差反応が確認され、感作にネコとイヌ両者の関与が示唆された。食肉は十分に加熱し摂取することを指導し以後日常生活に支障はない。
ネコ、イヌ、ハムスターなどのアレルゲンの1つである血清アルブミンに鼻腔・口腔経由で感作し、構造の似た牛肉や豚肉などの血清アルブミン(牛肉においては Bos d 6、豚肉はSus s 1)によりアレルギー反応を示すことがあります。
ネコ、イヌ、ハムスターなどの血清アルブミンに感作していても接触して目のかゆみや呼吸器症状を自覚していない場合もありますが、血清アルブミンを含む食品を摂食してのアレルギー症状として腹部症状、じんましん、全身症状などが見られており、豚肉に症状出現しても牛肉には症状出現しない場合もあります。
十分な加熱を経た肉においては症状誘発性が低いとも見られていますが、乾燥肉に症状出現する可能性がありますのでご留意ください。
出典・参照:ネコとイヌの両者に感作されたと考えられる小児期早期発症のpork-cat syndromeの1例
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