ザクロによるアレルギーは、スペイン、イタリア、トルコなどの地中海諸国での報告が比較的多く、ザクロ果肉・ザクロ果肉抽出物（ジュース）によるアレルギーやアナフィラキシー、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの例が見られています。

​ザクロのアレルゲン

ザクロのアレルゲンとしては、Pun g 1（LTP）、Pun g 7 （GRP）が挙げられています。
Pun g 1、Pun g 7 とも果物に共通して含有されることの多いアレルゲンの１つで、Pun g 1 は、熱に強く、また消化耐性があり全身性のアレルギー症状を引き起こし得るアレルゲンであり、Pun g 7 はGRP（Gibberellin－Regulated Protain）に該当し加熱や消化に強く、まぶたの膨脹、喉の閉そく感を自覚することが多く、こちらも全身症状を引き起こしやすい傾向があります。
 

ザクロ果汁・ジュースによる他の反応

果汁による影響～免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3664
でも掲載していますが、グレープフルーツで知られている、一緒に飲み合わせることでの特定の薬剤への作用は、ザクロジュースにおいても同様の影響を与えると考えられており、薬剤の血中濃度が上昇し、血圧低下、心拍数上昇、頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。カルシウム拮抗薬、アトルバスタチン、シンバスタチンなどの高脂血症治療薬、トリアゾラム(催眠鎮静薬)、カルバマゼピン(抗てんかん薬）、免疫抑制剤のネオーラルカプセル、ネオーラル内用液の服用時には、ザクロの積極摂取は控えられるのがよいかもしれません。

出典・参照：Naoko Inomata, Gibberellin-regulated protein allergy: Clinical features and cross-reactivity, Allergology International, 2020, 69 巻, 1 号, p. 11-18,