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マヌカハニーキャンディによる症状出現

2020.07.21

投稿者
クミタス

マヌカハニーはニュージーランドに自生するフトモモ科の低木マヌカの花を蜜源として得られるハチミツですが、マヌカハニーキャンディーをなめた後に、咽喉頭浮腫(のどの腫れ)、気道狭窄を起こすことがあります。

33歳男性(職業/歌手)。既往歴:スギ花粉症
2日前から口腔内の粘膜に水疱ができ口内痛、咽頭痛を主訴に耳鼻咽喉科を受診。喉頭蓋に浮腫、喉頭内視鏡検査にて喉頭蓋舌面、両側の披裂部の後面に浮腫を認め、口唇や軟口蓋の腫脹や頸部リンパ節の腫大は認めなかった。
5ヵ月後に自宅で寝る前にマヌカハニーキャンディーを舐めたところ、翌朝になりのどが腫れ、マヌカハニーキャンディーを持参して再受診。軟口蓋から両側口蓋弓にかけての浮腫を認め、喉頭蓋の浮腫や閉鼻声は認めず、プレドニゾロン(ステロイド薬)40mgを点滴静注したところ、すみやかに症状は改善した。
その後はマヌカハニーキャンディーを再摂取しておらず、再腫脹をきたしていない。

33歳女性(主婦)。既往歴:アレルギー性鼻炎
2日前から口腔内の痛み、前夜からの呼吸困難で受診。喉頭内視鏡検査で両側披裂部の軽度の浮腫と声門下の腫脹を認め、頸部リンパ節腫大はなかった。急性喉頭炎で気道狭窄の危険があると判断され緊急入院とし、スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム(抗生物質製剤)とプレドニゾロン(ステロイド薬)の点滴静注を開始し、2日後に口腔内の痛み、喉頭の腫脹が軽快した。退院から10日後の夜、自宅でマヌカハニーキャンディーをなめた直後から口腔内に違和感を感じ、3時間後には呼吸困難が出現したため翌朝、救急車で受診した。
マヌカハニーキャンディーは上記の症例1と同一商品であり、喉頭内視鏡検査で口蓋垂と喉頭蓋、両側の披裂部に浮腫を認めた。この時に、前回も今回もマヌカハニーキャンディーをなめてからのどが腫れたと申告があった。以後、マヌカハニーキャンディーの再摂取をしておらず、呼吸困難などの再発もない。

蜂蜜によるアレルギーにおいては、口腔粘膜内のかゆみなど口腔内を主とした舌がピリピリする、のど・鼻腔が痒い、鼻水が出る、目がかゆい・涙が出る、顔面を中心とした皮膚(顔や首、触った手指)が痒くなる・赤くなる・腫れる、血管性浮腫などのアレルギー症状から呼吸困難などアナフィラキシー、またスプレー状の蜂蜜の使用による咳症状の誘発可能性もあります。
また、蜂蜜入りボーロを食べた後、皮膚の発赤と膨脹を認、蜂蜜摂取1時間後に全身に紅斑と膨疹を認めた例、蜂蜜による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの例の報告なども見られています。
のどの痛みや腫れが続いている場合、ウイルスや細菌感染による急性喉頭蓋炎が疑われることがありますが、食品中の成分による反応、アレルギー反応である場合もあります。
マヌカハニーキャンディをなめて口腔内に違和感、症状が続く場合、症状が強い場合は、気道狭窄に至るおそれもありますので、受診できるのが望ましいでしょう。

蜂蜜によるアレルギー~花粉に反応する場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3333

出典・参照:マヌカハニーキャンディー摂取後に生じた喉頭浮腫を伴う口腔アレルギー症候群 2 症例

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