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心因性咳嗽~心的要因からの咳

2020.08.14

投稿者
クミタス

心因性ストレスから咳が出現する心因性咳嗽は、小児~成人において生じることがあります。
心因性咳嗽においては、心理的な状態が身体症状としての咳として現れている可能性があり、睡眠中、何かに熱中しているときに咳が出現しない傾向があることが、特徴として挙げられています。また乾いた咳、空咳が慢性的に続き、季節により症状の変動があるわけではなく季節性のアレルゲンとの関与可能性が低く、検査からは原因が明らかにならず、咳止め、抗生物質などの薬剤が有効となっていないこともあります。

気管支喘息患者さんにおいて、心因性咳嗽も併発することがあり、気管支喘息と診断されていた10歳男児においては、心因性咳嗽についての説明、経過観察がなされたところ、咳は消失し、気管支喘息もコントロール良好で経過している、との報告も見られています。

​心因性咳嗽では以下の分類(Fenichel)もあります。
・呼吸器疾患の罹患を契機に咳嗽や自分の身体に注意が向くようになり、「囚われ」が起こったもの
・器質的疾患が軽快した後も咳嗽が条件づけられ、無意識のうちに咳嗽が感情の抑圧によって生じる内的緊張を和らげる「はけ口」となっているもの
・精神的葛藤・衝動が気道の過敏性、咳嗽などの身体症状に転換されているもの
・チック様症状
・習慣性咳払いが増強したもの
・これら5つの型の混合型

長引く咳、薬剤があまり有効となっていない咳においては、心因性咳嗽である可能性もあり、視野に入れられると良いかもしれません。

出典・参照:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン
横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター 同小児科 磯崎淳 安藤枝里子 柏崎佑輔 田中晶 今井祥恵 遠藤美央 橋場容子 古家正 渡邊直人 中村陽一 気管支喘息と心因性咳嗽が混在した10歳男児例

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