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災害後の副鼻腔炎発症

2020.08.17

投稿者
クミタス

溺水後に副鼻腔炎を発症することがあります。スマトラ沖地震や東日本大震災に伴う津波によって溺水後、副鼻腔炎を発症したとの報告が散見されており、その病態については「Tsunami sinusitis」との呼称も存在しています。

2018年7月の西日本豪雨による土砂災害に被災後に副鼻腔炎を発症した症例として4例が確認されており、車ごとまたは全身で土砂に流され、副鼻腔内や上顎洞内に異物が認められています。
誤嚥した土砂等を鼻から強く呼出したことで、後鼻孔から自然口を介して副鼻腔に迷入したのではないか、との示唆もなされていますが、今までに、少し遅れて副鼻腔炎を発症し、真菌性髄膜炎が続発した例も見られています。

毎年のように発生している災害ですが、土砂や水を顔、全身に被り、土壌中や水中に存在する緑膿菌や大腸菌といった細菌や真菌が肺炎、副鼻腔炎、髄膜炎を引き起こしたり悪化させることがあります。こういった観点からも可能な限り、災害の当事者にならないような事前の回避対応ができるのが望ましいでしょう。

MS-24 西日本豪雨による土砂災害に被災後,副鼻腔炎を発症した4例―広島県内の症例調査報告と発症機序の考察―
平位知久 福島典之 佐藤祐毅(県立広島病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)、江草憲太郎 綾田展明 井口郁雄(広島市立広島市民病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)、福入隆史(マツダ病院 耳鼻咽喉科)

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