非IgE依存性の食物蛋白誘発胃腸炎、食物蛋白誘発胃腸症については、以下でも掲載しておりますが、
小麦による食物蛋白誘発胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3362
卵黄に症状が出現する場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2801
貝アレルギー、食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2823
新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症~治療用ミルクとセレン低減、欠乏
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3582
小児期早期までは牛乳が、離乳食開始後は卵や小麦、大豆、貝、また魚が原因食物となる例も見られています。
・7歳男児。2歳頃からカジキを摂取するたびに嘔吐した。各魚類の特異的IgE抗体は陰性。カジキのリンパ球刺激試験は陽性、7歳でのカジキの食物経口負荷試験は陽性であった。
・2歳女児。離乳期にサケ、カレイ、サワラの摂取後に嘔吐を繰り返した。各魚類の特異的IgE抗体は陰性、マグロ、カレイ、サワラ、サケのリンパ球刺激試験は陽性であった。
嘔吐などの胃腸症状が同じ食物を摂食するたびに出現する場合、非IgE依存性の食物蛋白誘発胃腸炎であることがあり、魚においても原因食物となることがあります。経口免疫療法中に消化器症状が持続する場合には、好酸球性胃腸炎である可能性もありますが、同じ食物を摂食した後に繰り返し胃腸症状が出現する疾患に関して、今後も情報をアップデートしていきたいと思います。
出典・参照:髙橋 浩樹, 五十里 裕美, 宮原 麻衣子, 髙橋 由希, 白川 清吾, 増田 敬, 魚類による食物蛋白誘発胃腸炎の2例, 日本小児アレルギー学会誌, 2020, 34 巻, 3 号
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