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稲わらやもみ殻を燃やした煙について

2021.11.08

投稿者
クミタス

平成30年3月には、環境省から煙を伴う稲わら焼きなどの野焼き行為によって、PM2.5 質量濃度の上昇に、直接的に影響を与える場合があることを、関係行政部局や一般に周知する旨の通知が出ています。
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/ca/300327noyaki.html
野焼きは特に秋、秋~冬に多く、稲わら、木の枝、農業残渣(稲わら、もみ殻等)、収穫残渣、枯葉・枯枝、伐採竹、農業残渣、農作物、あぜ草、剪定くず、廃材、廃プラ類、柿の剪定枝、落ち葉、畑の残渣、書類などが主な焼却物に挙げられています。
野焼きの煙の成分には、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、粒子状物質(PM2.5(多環芳香族炭化水素など)など)などが含まれていることがあり、PM2.5の濃度上昇が予測される気象条件として、以下が示唆されています(出典・参照:別添2PM2.5濃度が高くなりやすい気象条件について)。
・弱風時:野焼きは事故を防ぐため風が弱いときに実施されることがありますが、弱風時は野焼きにより排出された大気汚染物質が大気中に滞留し、拡散しにくい面があります。
・逆転層形成時:野焼きが実施されることの多い秋~冬の晴れた日の夜間は、大気下層に逆転層が形成されることがありますが、地表面付近の大気が安定するため、野焼きにより排出された大気汚染物質の濃度が下がりにくくなる面があります。
・高湿度時:気温が低く湿度が高い場合、大気中での化学反応により、PM2.5の成分である硝酸塩(NO3-)が二次的に生成されやすくなります。

野焼きの煙により目やのどを痛めたり、喘息の増悪要因となる場合があり、また稲わらやもみ殻の抽出液を分析すると、細菌内毒素(エンドトキシン)が含まれ、好酸球を活性化させ、好酸球性炎症を悪化させる可能性も示唆されています。
屋外、室内で暴露する物質による影響について今後もアップデートしていきたいと思います。

暖房機器と一酸化炭素、二酸化窒素など
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2497
ハウスダストに含まれる物質
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2876
準揮発性有機化合物(SVOC)について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2498

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