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育毛剤による皮膚炎の例

2020.10.21

投稿者
クミタス

接触皮膚炎においては様々な製品において症状が出現し得ますが、育毛剤での症状出現例も見られています。

52歳男性。男性型脱毛症に対し、5%ミノキシジル含有育毛剤を使用して5カ月後から、頭頂部に瘙痒感、紅斑、滲出液が出現した。パッチテストで製品と、ジブチルヒドロキシトルエン(スクラッチパッチテストのみ)が陽性であった。

54歳男性。5%ミノキシジル含有育毛剤を使用した直後から頭部、額部に瘙痒感、紅斑、紅色丘疹が出現した。パッチテストで製品と1,3-ブチレングリコールが陽性であった。

ミノキシジル含有育毛剤による接触皮膚炎においては、含有する物質のプロピレングリコール、ミノキシジル、ジブチルヒドロキシトルエン、1,3-ブチレングリコールが症状出現の原因となっている可能性が挙げられています。

ジブチルヒドロキシトルエンは、酸化防止剤の1つとして使用され、BHTと表記されることが多い物質になります。一部のリップ製品、ボディソープ、ベビーから使用可能なシャンプーでの使用、また食品添加物としても使用されており、一部の輸入食品、ペットフードなどで酸化防止剤(BHT)と記載のある商品が流通しています。

1,3-ブチレングリコールは多くの化粧品に保湿剤、溶剤等の目的で配合されており、化粧品による接触皮膚炎の原因物質の12%を占めるとの示唆も見られています。

症状が出現する場合、製品の主成分が原因とは限らず、添加物が原因となっている場合もあり、他の製品にも含有する物質においては、様々な製品を使用する過程で感作し、接触皮膚炎を生じることもあります。
含有物質は製品によっても異なりますので、製品によっては使用しても症状出現しない可能性も踏まえ、原因物質の精査ができると良いかもしれません。

出典・参照:ミノキシジル含有育毛剤の成分である1,3-ブチレングリコールによる接触皮膚炎の1例 ミノキシジル育毛剤による接触皮膚炎の1例 大原 香子 大原医院,寒河江市

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