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好酸球性膿疱性毛包炎と他疾患

2024.07.30

投稿者
クミタス

好酸球性膿疱性毛包炎は、赤い丘疹に水疱性の強い痒みを伴う湿疹が顔、臀部、背中、上腕、太ももなどに出現する疾患で、患者さんのうち7割ほどの方では皮膚病変部や末梢血の好酸球値が高い傾向にある点が特徴とも言われています。

好酸球性膿疱性毛包炎においては、​掌蹠病変が先行し、掌蹠外病変を伴う掌蹠膿疱症との鑑別が必要になる場合や、明らかな丘疹や膿疱が見られない方の報告などもありますが、好酸球性膿疱性毛包炎と疑われ、毛包向性菌状息肉症であったケースも見られています。
菌状息肉症は皮膚T細胞リンパ腫の一種で、毛包向性菌状息肉症では毛包に病変が見られます。ステロイド外用を使用し軽快と増悪を繰り返しながら皮疹が拡大。皮膚生検では好酸球とリンパ球浸潤が認められ、好酸球性膿疱性毛包炎が疑われ、インドメタシン内服を開始するも顔面を中心に浸潤を伴う紫紅色結節の出没が続き、4回目の皮膚生検にて毛包周囲にCD4優位な異型リンパ球の浸潤が確認されるなどし、毛包向性菌状息肉症と診断されています。

好酸球性膿疱性毛包炎においては、症状出現部位は顔面であることが比較的多いですが、手のひら、足の裏に症状が出現することもあり、右大腿部や、片側の眼周囲に限局したケースなども見られています。手のひらに症状が限局した場合、掌蹠膿疱症との鑑別が重要になることもあります。水疱ができる疾患例については、以下ページをご覧ください。
水疱ができる疾患例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4606
掌蹠膿疱症と金属アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4060

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