Author クミタスさん
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2020.11.14
顕微鏡的大腸炎においては、大腸の内視鏡ではほぼ正常か軽度の異常であることが多いものの、大腸粘膜の一部を採取する生検で顕微鏡的に異常を認め、慢性的に下痢症状があり、水様下痢で腹痛をともなうこともあり、血便、体重減少がみられることもあります。
原因としては、それまでに使用している薬剤や感染、遺伝素因、アレルギー、自己免疫などが考えられており、食物アレルギーが原因と考えられる報告例もあります。
11歳男児。乳児期からの鶏卵と牛乳による誘発症状に関して、血中特異的IgE抗体は陰性であったものの、皮膚試験から即時型アレルギーと考えられ、5歳時から鶏卵と牛乳の経口免疫療法をおこない、鶏卵は8歳時に部分解除となった。その後、牛乳の経口免疫療法中に、鶏卵摂取とは無関係に牛乳摂取による消化器症状の頻度が著明に増加したため、牛乳の経口免疫療法による好酸球性腸炎合併が疑われたが、11歳時に内視鏡検査を施行されたところ顕微鏡的大腸炎と診断された(出典・参照:中農 昌子, 橋本 直樹, 髙田 晃司, 飯田 陽子, 高川 健, 阪井 利幸, 虫明 聡太郎, 経口免疫療法中に施行した消化管内視鏡検査で顕微鏡的大腸炎と診断した1例, 日本小児アレルギー学会誌, 2020, 34 巻, 3 号, p. 339-345)
薬剤が原因の場合は、それまでに使用している薬剤(プロトンポンプ阻害薬、β遮断薬、抗血小板製剤、スタチン製剤など)があれば、中断しても良いと判断された状況下で、その薬剤の摂取を中断することで上記の下痢などの症状が出現しなくなることもあるようですが、食物摂取後において繰り返し消化器症状がある場合は、原因可能性を視野に受診し相談できると良いかもしれません。
好酸球性胃腸炎~経口免疫療法施行により判明したケース
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