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卵黄の消化管アレルギーと特異的IgE値

2020.11.27

投稿者
クミタス

卵黄を摂食して食物アレルギー、新生児ー乳児消化管アレルギー(新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症)、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎の症状が出現することがあります。
卵黄に症状が出現する場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2801

新生児ー乳児消化管アレルギー(新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症)、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎においては、特異的IgEが陽性でないことが多いと考えられていますが、特異的IgE陽性例も見られています。

主要アレルゲン
卵白
・オボムコイド  Gal d 1
・オボアルブミン  Gal d 2
・オボトランスフェリン  Gal d 3
・リゾチーム  Gal d 4
卵黄
・血清アルブミン(Bird-egg syndrome の主要アレルゲン)  Gal d 5
・ビテロジェニン  Gal d 6
鶏肉
・ミオシン軽鎖  Gal d 7
・α-パルブアルブミン  Gal d 8
・β-エノラーゼ  Gal d 9

加熱鶏卵摂取後2時間以降の嘔吐症状を複数回認め、消化管アレルギーと診断された13人において、全員卵黄タンパク質にIgE結合能を有しており、その中でビテロジェニン2に7人、ビテロジェニン1に6人、血清アルブミンに5人においてIgE結合能を有していた報告もあります(出典・参照:斎藤彩子 森雄司 青木祐治 藤田医科大学医学部小児科学 卵黄の消化管アレルギー13症例の抗原解析)。

鶏卵が原因の消化管アレルギーにおいては、卵黄が原因となる傾向があり、離乳食で摂食し始める乳児期後半~の発症、摂食から2時間前後での嘔吐・下痢が多いところでもあります。消化管アレルギーにおいては、非IgE依存性のメカニズムが考えられていますが、上記のようにIgEが何らかの関与をしている可能性・ケースも示唆されており、また一方で、即時型アレルギーで特異的IgE抗体値陽性、消化管症状のみの場合、また双方を合わせ持つケースの可能性もあります。今後も様々なタイプについてアップデートしていきたいと思います。

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