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緑膿菌毛包炎について

2021.04.15

投稿者
クミタス

毛包炎とは、皮膚の毛包部にできた掻き傷などの小さな傷などから黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などの細菌が入り、炎症を起こすことを指しますが、皮膚の常在菌(真菌)の1つであるマラセチアが原因となるマラセチア毛包炎、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa。グラム陰性桿菌)が原因となる緑膿菌毛包炎もあります。
緑膿菌毛包炎では、首の後ろ、太もも、臀部、体幹側面などに小さい膿疱のある赤い丘疹が1つ~多数でき、毛包炎が悪化すると「せつ」、またさらに悪化して複数の毛包の周囲に炎症がつながり広がったものは「よう」と呼ばれ、発熱、倦怠感などの全身性の症状を伴う場合があります。

緑膿菌は水道の蛇口、風呂、流し、濡れたふきん・タオル・水着など湿気の多い場所にも広く存在しており、4℃での発育は不可ですが、至適温度37℃、41℃で発育します。毛穴で増殖した緑膿菌が入浴中に毛包開口部が拡張し浴槽内で広まることも考えられますが、浴槽内の緑膿菌汚染頻度は比較的高い場合があり、また入浴中に使用するナイロンタオルやスポンジに付着した緑膿菌で体をこすることが原因となり、家族内で複数人にて発症する可能性もあります。

緑膿菌毛包炎の皮疹治療においては、抗菌薬の内服や外用剤が使用されますが、入浴時に使用のタオル・スポンジの使用中止後、症状が消失・軽減した例も見られています。予防策として浴室内などの水回りの清掃、タオル・スポンジは早めの乾燥を心がけ、また皮膚のバリア機能を保ち、皮膚の炎症や傷は治しておけると良いかもしれません。

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