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小麦アレルギー児での摂取可能量増加~ダニ舌下免疫療法

2021.10.15

投稿者
クミタス

ダニアレルギーを併発している食物アレルギーの方は少なくありませんが、ダニ舌下免疫療法をおこなって以降、アレルゲンの食物の摂取量が増えた報告も見られており、乳アレルギーの方で牛乳の摂取量が増えたケースや
牛乳の摂取量が増加~ダニ舌下免疫療法
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4055
エビにアレルギーのある方において、アレルギー性鼻炎のためのダニ舌下免疫療法をおこない、エビアレルギーの症状が軽減したケース
ダニ舌下免疫療法によりエビアレルギーの症状が軽減した例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3575
も見られています。
今回は、アナフィラキシーをおこしていた小麦アレルギー児において、ダニ舌下免疫療法の実施後に摂取量が増加していたケースについてお送りします。

5 歳男児。生後6 か月時にパン粥で蕁麻疹が出現し、検査陽性で小麦除去開始。以後も誤食で蕁麻疹や呼吸苦を繰り返していた。前医での小麦RAST 値はクラス2→3→6 と推移していた。【食物負荷の経過と舌下免疫療法】2019/5 うどん0.1g 単回負荷後1 時間でアナフィラキシー Grade2、アドレナリン注射を要した。2019/8-うどん0.01g から開始。その後1 か月毎に0.02-0.03-0.05g と増量を行った.2020/2 鼻炎症状あり。ダニ舌下免疫療法を導入。うどん0.1g-0.2g と増量するが0.5g で再度アナフィラキシー。その後は0.3-0.4-0.5-0.7-1-1.5-2-3-4g と増量が可能であった。現在は4g 連日摂取可能となり、特筆すべきは負荷時の粘膜症状の訴えが減少したことである(出典・参照:喜多村哲朗 高田努 野口佳江 片山寿夫 赤穂由希子 田中弘之 岡山済生会総合病院 ダニ舌下免疫療法により摂取量が増加したと思われる重症小麦アレルギーの1 例)。

ダニ舌下免疫療法実施により口腔内瘙痒感、舌下部粘膜腫脹などの副反応を生じる場合があり、またダニアレルギー性鼻炎と診断されている方でダニ舌下免疫療法が効果が出なかった例も見られていますが、食物アレルギーにおけるプラスの影響とそのメカニズムに関する考察については、今後もアップデートしていきたいと思います。
ダニ舌下免疫療法の副反応から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4281

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