赤魚を摂食して症状が出現した例では、以下の報告が見られています。
・食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
11か月女児にて、赤魚による食物経口負荷試験で症状出現が確認された。
・IgE依存性の食物アレルギー
9歳女児。以前から赤魚の摂取で口腔内掻痒感があり摂取を回避していた。給食で焼き赤魚摂取直後から咽頭掻痒感、咽頭絞扼感、顔の紅斑、眼瞼および口唇腫脹があり、前医に救急搬送された。
前医受診時は皮膚症状のみ残存し、抗ヒスタミン薬内服で症状軽快、原因検索のため当科紹介となった。血液検査は総IgE1378IU/ml、原産地の異なる赤魚4 種中3 種のプリックテストで陽性であった。焼き赤魚4 種の二次元免疫ブロットでは、全ての原産地において30~40kDa に、3 種で80kDa 付近の抗原にIgE 反応性を示し、当領域を質量分析で測定し検索した結果、赤魚由来ではなかったものの、シープヘッドミノー(Cyprinodon variegatus)のトロポミオシンが同定された(出典・参照:森川みき 下條尚志 中村政志 松永佳世子 森川小児科アレルギー科クリニック ホーユー株式会社総合研究所 藤田医科大学アレルギー疾患対策医療学 トロポミオシンにIgE 反応性が確認された赤魚アレルギーの1 例)。
トロポミオシンはエビやカニといった甲殻類以外にも、イカ、タコ、貝類の主要アレルゲンの1つであり、ウニ、ナマコなどの棘皮動物のアレルゲンの1つで、ダニ、ゴキブリのアレルゲンとの交差反応性も示唆されていますが、魚におけるアレルゲンの1つと考えられる報告もみられています。
赤魚は外食時や給食でも利用される頻度が少なくない魚ですが、交差反応性、他の魚介類での症状出現傾向などもアップデートしていきたいと思います。
魚類による食物蛋白誘発胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4003
魚のアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1282
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