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鼻症状のある方での昆虫アレルゲン感作状況例

2021.11.27

投稿者
クミタス

小児ぜんそく患者51名での昆虫アレルゲンに対する感作状況の調査では、CAP-RAST陽性率はチャタテムシ23.5%、セスジュリカ23.5%、カイゴガ39.2%、クロゴキブリ15.7%、チャバネゴキブリ15.7%との結果が見られています。

鼻症状を主訴に国際医療福祉大学三田病院(東京都)あるいは国際医療福祉大学病院(栃木県)を受診し、特異的 IgE 検査を施行した 524 症例(東京都 316 例、栃木県 208 例)を対象に、昆虫(蛾、ユスリカ、ゴキブリ)感作率と、昆虫感作例、特に昆虫単独感作例の臨床免疫学的特徴を検討したところ、
蛾、ユスリカ、ゴキブリの感作率は東京で30.7%、10.0%、10.6%、栃木で26.4%、10.6%、12.5%であり、東京と栃木で有意差を認めず、昆虫感作例の中、95.1%が蛾への感作を示した。昆虫非感作例と比較して昆虫感作例は、有意差をもって男性に多く、血清総 IgE 値が高かった。昆虫単独感作例は他抗原との重複感作例と比較し,高齢者に有意に多く認めた。また有意な差を認めなかったものの、重複感作例と比較し昆虫単独感作例で通年性の症状を多く認めた(出典・参照:岡 愛子, 小山田 匠吾, 岡 晋一朗, 古舘 佐起子, 高橋 優宏, 岩崎 聡, 赤松 摩紀, 野口 佳裕, 假谷 伸, 金井 健吾, 牧原 靖一郎, 西﨑 和則, 岡野 光博, 都市部と郊外における昆虫アレルゲン感作の実態と,昆虫単独感作例の臨床免疫学的特徴, 耳鼻咽喉科免疫アレルギー, 2020, 38 巻, 3 号, p. 57-63)。

上記結果においてはアレルギー性鼻炎の昆虫抗原として蛾の重要性が確認されるところでもあり、昆虫抗原への感作率は都市部と郊外で差を認めず、昆虫単独感作例は高齢男性が多く、総 IgE 値が高い、通年性症状であるという特徴が見られています。
都市部と農村部でのアレルゲン感作状況例については以下でも掲載しておりますが、疾患別の状況やアレルゲン間の交差反応性などについて今後もアップデートしていきたいと思います。

都市部と農村部でのアレルギーの状況
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3198
住環境の変化によりアレルギーを発症することも~山麓への移転
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2945
喘息症状を誘発し得るユスリカの、ダニとの関係
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/752
蛾によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1681
ゴキブリによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4399

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