小麦にアレルギーのある方において、大麦、ライ麦、またオート麦にも症状出現する場合がありますが、今回は小麦にアレルギー症状が出現していない方で、大麦に食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)を発症した方のケースについて掲載します。
特にアレルギー既往のない12歳男児。12:30頃学校給食で麦ご飯、チキンカレー、桃の缶詰を摂取し、その後13:10頃に友人と鬼ごっこを始めたところ、13:20頃に全身の掻痒感が出現。次第に蕁麻疹と腹痛、喘鳴、呼吸困難が出現したため救急搬送。アナフィラキシーの診断でアドレナリン0.3mg筋注とβ2刺激薬の吸入で改善し、1泊の経過観察の後に退院。検査結果は血清総IgE抗体価<20IU/L、小麦に対する特異的IgE 抗体価0.17UA/ml、大麦に対する特異的IgE抗体価2.22 UA/mlであった。大麦に対するプリックテストでは、水・塩溶性蛋白分画で強い反応が認められた。大麦50gの経口負荷試験では、アレルギー症状は誘発されなかったが、アスピリン負荷食物負荷運動誘発試験で皮膚症状及び神経症状が出現し、大麦に対する食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)と診断された(出典・参照:小林大河,伊藤拓郎,野上和剛 岩見沢市立総合病院小児科,製鉄記念室蘭病院小児科,札幌医科大学附属病院小児科 小麦アレルギーを合併しない大麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例)。
大麦のアレルゲンとしては以下などが考えられていますが、
・α-アミラーゼ/トリプシンインヒビター(Hor v 15)
・α-アミラーゼ(Hor v 16)
・β-アミラーゼ(Hor v 17)
・ホルディン(Hor v 20)
・脂質輸送タンパク質 LTP(Hor v 14)
・プロフィリン(Hor v 12)
・Hor v 5
上記報告は大麦特有のアレルゲンに対する反応である可能性もありますが、今後も新たな報告なども掲載したいと思います。小麦アレルギー、大麦アレルギーに関しては以下でも掲載しております。よろしければ以下もご覧ください。
小麦にアレルギーがある方での大麦にアレルギーを示す条件可能性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2510
麦類での経口免疫療法において
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4432
大麦によるアレルギー~もち麦いりご飯での例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1039
みんなの食卓 お米で作ったまあるいパン
253kcal/100gあたり
49599
keiii
ふわふわもちもちでした!…