1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

点眼薬使用が継続困難と思われたが再開できた例

2024.09.07

投稿者
クミタス

薬剤によるアレルギーにおいては、点眼薬が原因である場合がありますが、点眼薬使用が継続困難と思われた症例で、慢性涙囊炎の治療をおこなうことで、点眼薬が使用可能となった例も見られています。

68歳女性。前医で両眼緑内障のため両眼点眼加療中、右眼にアレルギー症状および表層角膜炎が出現し,緑内障点眼薬の変更を繰り返していた。両眼トラボプロスト点眼(緑内障点眼薬)に変更後も同症状のため右眼点眼中止となり、緑内障点眼治療に難渋し当科へ紹介となった。初診時、眼圧は右14mmHg,左12mmHgで,右眼に軽度表層角膜炎と瞼結膜充血を認め,前眼部,隅角に異常所見は認めなかった。涙液メニスカス高は正常であったが,涙囊洗浄検査で右通水不可、血性逆流と多量の膿の排出を認めた。涙囊造影CT検査を施行し,右拡張した涙囊が造影され,右慢性涙囊炎と診断した。右結膜炎の一因と考え,右涙嚢鼻腔吻合術(DCR)鼻内法を施行したところ、右涙囊洗浄検査で通水可能になり、眼症状も改善。右眼トラボプロスト点眼を再開したが、再発なく経過している(出典・参照:延吉章 田邊益美 木村将 越猪早織 川村知子 橋本大 製鉄記念広畑病院眼科 製鉄記念広畑病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 緑内障点眼アレルギー症状が涙囊鼻腔吻合術後に改善し点眼再開が可能となった1例)。

緑内障点眼薬の副作用のため継続した点眼治療に難渋していたが、緑内障点眼によると思われた症状が涙囊鼻腔吻合術(DCR)を施行後に改善し,点眼再開が可能になった症例として期しておきたいと思います。

眼薬使用下での眼の周りの皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4022
薬剤によるアレルギー、薬疹とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1510

    {genreName}

      {topics}