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大豆のアレルゲン②

2022.06.02

投稿者
クミタス

大豆のアレルゲンについては以下でも掲載しておりますが、
大豆のアレルゲン①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1974
また新たな報告について掲載したいと思います。

15歳女性。市販チキンナゲットを摂取後運動したところ、全身の蕁麻疹とともに咳、呼吸困難が出現。2週間後にも同様のエピソードを繰り返した。血清特異的IgE(Immuno CAP)は、大豆1.00UA/ml(class 2)のみ陽性、プリックテストでは大豆、豆乳、チキンナゲットが陽性。チキンナゲットの成分に大豆が含まれており、大豆による食物依存性運動誘発アナフィラキシーが疑われた。アレルゲンコンポーネント特異的IgEは、Gly m 3、Gly m 4、Gly m 5、Gly m 6は陰性で、大豆 Bowman-Birk protease inhibitor(BBI) のみELISA法5.8UE/mlと陽性、Streptavidin ImmunoCAP法でも1.77UA/mlと陽性を示した。
ImmunoCAP抑制試験にて、チキンナゲット中にBBIが含有されていることが示されたため,BBIが自験例のFDEIAの原因コンポーネントと診断された。BBIは熱や消化酵素に耐性で、クラス1アレルゲンとなりうるがこれまでに報告はなく新規アレルゲンである(出典・参照:足立厚子 白井成鎬 丸山伸之 田中昭 兵庫県立加古川医療センター皮膚科 京都大学大学院農学研究科品質設計開発学分野 サーモフィッシャーダイアグノスティックス(株) Bowman-Birk protease inhibitorがアレルゲンコンポーネントと考えられたチキンナゲット中の大豆による食物依存性運動誘発アナフィラキシー)。

加熱に強く、今まで他のアレルゲンコンポーネントで反応しなかった方において、大豆使用食品でのアレルゲンの1つとなっている可能性が考えられるところで、今後もアレルゲン、症例について他の報告なども掲載していきたいと思います。

特定の大豆加工品による食物依存性運動誘発アナフィラキシー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3655
ソイプロテインによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4320

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