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麦類での経口免疫療法において

2022.06.07

投稿者
クミタス

小麦にアレルギーのある方において、大麦やライ麦にもアレルギー症状を生じる場合があり、場合によりオート麦も摂取できないこともあるとみられていますが、小麦での経口免疫療法を施行した場合、大麦、ライ麦、オート麦における影響、効果はあるのでしょうか?

大麦、ライ麦の摂取歴はないが、小麦、オート麦(オーツ麦、燕麦)の摂取後にアレルギー誘発症状のある4歳女児。大麦、ライ麦、小麦、オート麦のプリックテスト、特異的IgE抗体価は全て陽性で、小麦は微量経口負荷試験結果陽性で完全除去中。
二次元電気泳動法でタンパク質を分離、免疫ブロットで血清中IgE抗体が反応したタンパク質を検出、質量分析で同定し、同定されたタンパク質の配列相同性を確認したところ、小麦、大麦、ライ麦では、分子量40~60kDaに配列相同性の高いグリアジン、GAPDH(Glyceraldehyde-3-Phosphate Dehydrogenase)、グロブリンが同定された。
オート麦(オーツ麦、燕麦)では約25kDaのグロブリンが同定され、他の麦類タンパク質との配列相同性は低く、本症例において小麦、大麦、ライ麦はいずれか1 種で経口免疫療法の効果が表れる可能性があるが、オート麦(オーツ麦、燕麦)については単独の経口免疫療法が必要になる可能性がある(出典・参照:橋本泰佑 青木祐治 佐藤美希 酒井智美 中村政志 春日彩季 藤川詩織 山本菜穂 安藤さくら 濱崎考史 松永佳世子 大阪市立大学医学部附属病院小児科・新生児科 ホーユー株式会社総合研究所 藤田医科大学医学部アレルギー疾患対策医療学 あべのメディカルクリニック 広範な麦類アレルギーの発症機序の解析と治療方針)

上記においては、小麦、大麦、ライ麦においてはいずれか1 種で経口免疫療法の効果が表れる可能性があり、オート麦(オーツ麦、燕麦)については別途、単独の経口免疫療法が必要になる可能性を示唆していますが、他報告なども今後また掲載していきたいと思います。

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