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PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)の原因食物が摂取可能となった例から

2022.06.08

投稿者
クミタス

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)については、今までにも
果物・野菜アレルギー(OAS、PFAS)
花粉への反応と症状出現しやすい食物~果物・野菜アレルギー OAS、PFAS
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1331
等でも掲載しておりますが、花粉に感作されている方で、花粉と交差反応性のある果物、野菜にアレルギー反応を示す場合があり、PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)と呼ばれています。
またスギ花粉舌下免疫療法導入後にトマトの花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)を発症した報告、一方でスギ花粉抗原皮下注射免疫療法の施行後にトマトアレルゲンに対する末梢血好塩基球活性化試験での数値が下がった報告や、花粉への免疫療法を実施したところ、果物、野菜への症状が改善した例も見られています。
スギ花粉の免疫療法と花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4199

今回はPFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)の原因野菜での食物経口負荷試験を経て、原因野菜が摂取可能となった児の例を掲載したいと思います。

8歳女児。サクランボを食べて30分後に眼瞼の腫れ、眼の痒みと咳を認めた。その後、多種の果物、野菜などで口腔症状を認めるようになり、大根とブロッコリー以外の野菜はすべて摂取を止めていた。ハンノキおよびスギの花粉IgE がいずれもクラス6 であり、他の多数の果物や野菜、およびGly m4 のIgEも陽性、果物については缶詰などは摂取可能であった。PFAS の診断でレタス、キュウリ、カボチャ、ホウレンソウなどの負荷試験を実施し、レタス、キュウリのみ一過性に軽度の口腔症状を認めたが用量依存性はなく、全身症状も認めなかった(出典・参照:目黒敬章 増本佳泰 早川晶也 米田堅佑 静岡県立こども病院免疫アレルギー科 多抗原に対する花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)に対して積極的に負荷試験を行い、摂取可能となった1 例)。

上記は積極的な食物経口負荷試験にてリスク評価を行った結果、除去をほぼ中止することができたことが伺える報告であり、重症リスクが低い食物については摂取を継続することで改善できる可能性があることを示唆しています。
PFAS でも経口免疫療法が有効であったとする報告もあり、今後 PFASの原因食物が摂取可能となった例など掲載していきたいと思います。

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