Author クミタスさん
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読み物
2022.07.04
光線過敏症とは、日光などの照射により照射部に生じる皮膚疾患の総称で、薬剤の内服または注射後に露光部にかゆみを伴う紅斑と丘疹が出現する光線過敏型薬疹と、貼り薬や塗り薬などを使用した部位に日光が当たり、その部位に紅斑や浮腫などの症状が出現する光接触皮膚炎があります。
日光と皮膚疾患③ 光アレルギー性の光線過敏症
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3410
日光と皮膚疾患② 光線過敏症と食物
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2724
光接触皮膚炎においては、特定の物質が付着した皮膚に太陽などの紫外線(UVAなど)が当たった後で皮膚炎が生じ、光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎のタイプがあります。光毒性とは物質に紫外線があたることによって活性酸素が発生し組織や細胞に障害をもたらすもので、光毒性接触皮膚炎ではアレルギー反応による皮膚炎とは異なり、感作期間を要さず紅斑、浮腫、水疱、びらんなどの症状が現れます。光アレルギー性接触皮膚炎では物質に感作しアレルギー反応により紅斑、丘疹、漿液性丘疹、痒み、浮腫、水疱、びらんなどが生じると考えられています。
薬剤の成分が原因物質になることがあり、なかでも光アレルギー性接触皮膚炎を起こし得る薬剤としてケトプロフェンを含む貼り薬や塗り薬が挙げられていますが、日焼け止め(サンスクリーン)剤に含有の紫外線吸収剤が原因となることがあります。
紫外線吸収剤のアボベンゾン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4′-メトキシジベンゾイルメタン)、ベンゾフェノンによる光接触皮膚炎の報告も見られていますが、紫外線吸収剤のオキシベンゾンはケトプロフェンとの交叉感作性、オクトクリレンはケトプロフェンとの共感作による光線過敏症についての報告がなされています。
光線過敏症を防ぐ目的で日焼け止めを使用し、その日焼け止めの成分が原因物質となり症状出現する場合もあります。光接触皮膚炎は紫外線量の多い5月~8月に生じやすく、日焼けによる赤みでなく皮膚炎が生じている場合もありますので、症状が強い場合や続く場合は受診できると良いかもしれません。また日焼け止め(サンスクリーン)剤に含有の物質について、ケトプロフェンの交差感作性、使用上の注意などについてもまた掲載したいと思います。
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