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創傷被覆材に含有のカルボキシメチルセルロース(CMC)による症状出現

2024.07.23

投稿者
クミタス

カルボキシメチルセルロース(CMC)は食品や日用品、医薬品など様々な製品で使用されることがあり、アレルギーの原因物質となることがあります。
カルボキシメチルセルロース(CMC)によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3437 
今回は、カルボキシメチルセルロース(CMC)含有のハイドロコロイド創傷被覆材による接触蕁麻疹症候群と考えられたケースについて掲載します。
 
17歳女性。以前から創傷部位にキズパワーパッド ® をときどき使用していた。夕食後に入浴し、踵の靴擦れのため生じたびらん部に一般用のハイドロコロイド創傷被覆材のキズパワーパッド®を貼布したところ、約10分後に貼布部位の灼熱感と発赤腫脹が、その後全身に発赤が出現し, 咽頭違和感や顔面浮腫も生じてきたため近医救急外来を受診。意識は朦朧、収縮期血圧は70mmHg台に下がっておりアナフィラキシーショックと診断された。大量輸液、アドレナリンの筋肉内注射により血圧は一時上昇したが再度低下。貼布したままであったキズパワーパッドを剥がしたところ血圧は安定してきたため、経過観察目的で入院し、翌日退院となった。アナフィラキシーショックの精査で、経過からキズパワーパッド ® が原因である可能性が考えられ、発症時に使用したキズパワーパッド ®と同じロット番号の製品を用いて, as is で上腕に30分貼布したが紅斑や膨疹の出現はなく、 痒みも生じなかった。次にスクラッチテストで上腕に傷をつけ、その上からキズパワーパッド®を貼布したところ、約10分で貼布部に掻痒を生じ、30分後には紅斑と膨疹を生じた(出典・参照:堀優子 村尾和俊 久保宜明 ハイドロコロイド創傷被覆材 (キズパワーパッド®)による接触蕁麻疹症候群)。
上記では皮疹が貼付部位から生じており、剥がしたところ血圧が安定してきています。カルボキシメチルセルロース(CMC)は多様な製品に使用されており、感作経路や症状出現の原因製品が様々である可能性もありますが、また他製品による症状出現ケースについて追記したいと思います。

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