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アレルゲン性の低減可能性〜熱処理、酵素処理

2023.02.27

投稿者
クミタス

加熱分解や酵素分解により、アレルゲン性が低減することがあります。
加熱条件による抗原性の違い~レトルト食品など
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3285
タンパク質分解酵素による抗原量の変化
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1875

ボンラクトⓇi  https://www.wakodo.co.jp/product/babyfood/milk/bonlact/index.html  は「乳成分、乳糖を含まず、大豆タンパクを用いてつくられた育児用粉乳」ですが、製品における大豆のアレルゲン性を調べた報告があります。
ボンラクトⓇ iの原料である酵素分解分離大豆タンパク、その原料の分離大豆タンパクのポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)及び免疫ブロッティングを行い、大豆アレルギー患者に対して皮膚プリックテスト(SPT)と、豆腐または豆乳とボンラクトⓇ iの食物経口負荷試験(OFC)の比較を行ったところ、
ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)では分離大豆タンパクよりも酵素分解分離大豆タンパクで全体に低分子化されたバンドが確認され,免疫ブロッティングではGly m Bd 28K及び30Kに特異的なバンドが検出されづらくなった。また2/3例で,大豆と比較して酵素分解分離大豆タンパクでの皮膚プリックテストの膨疹径が小さく、食物経口負荷試験では3/4例でボンラクトⓇ iの症状誘発閾値タンパク量が多く,全例で重症度が低かった。
酵素分解分離大豆タンパクは,熱処理と酵素処理により低分子化されており、低アレルゲン化されている可能性が伺える結果となっています(出典・参照:松井照明 田島巌 牧野篤司 内藤宙大 森山達哉 渡邊弥一郎 北村勝誠 高里良宏 杉浦至郎 和泉秀彦 伊藤浩明 ボンラクトⓇ iと豆腐・豆乳とのアレルゲン性の比較検討)。

加工とアレルゲン性変化については以下にも掲載しております。よろしければ以下もご参照ください。
アレルゲン性の減弱、増強~メイラード反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3948
ゆでたピーナッツとローストしたピーナッツでのアレルゲン性の違い
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2786

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