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蜂刺傷リスクの高い方における組織対応の重要性

2022.10.19

投稿者
クミタス

養蜂家の方、森林に入る機会の多い方はハチ刺傷リスクが高い面がありますが、アドレナリン自己注射薬の携帯率、使用回数は高くない状況が窺えるところでもあります。

ミツバチ刺傷を頻回に経験する養蜂家の方における、ミツバチ刺傷時のアドレナリン自己注射薬の処方および使用状況についての調査によると、
2017年6月~2018年5月にかけて,33都道府県の代表者を介し826名の養蜂家が回答、
アドレナリン自己注射薬を処方されており、携帯している養蜂家は46名(5.6%)で、33名がミツバチ刺傷を経験していた。
内16名が全身症状を発症し、アドレナリン自己注射薬を使用していたのは9名(56.3%)であった(出典・参照:尾崎敦孝 佐藤構造 福島康次 平田博国 獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科 養蜂家のアナフィラキシー発症時におけるアドレナリン自己注射薬の使用状況)。

2019 年 7 月~2020 年 5 月に実施したアンケートに回答した、47都道府県に支部をもつ林業・木材製造業労働災害防止協会に所属する林野関連事業者14,072 名のうち、2,770名(19.7%)がアドレナリン自己注射薬を携帯しており、この内314名(11.3%)がハチ刺傷によるアナフィラキシーを経験していたが、5回以上のアナフィラキシーを経験していても、アドレナリン自己注射薬の使用回数は過半数の方で0回であった(出典・参照:佐藤淳哉 廣川尚慶 平田博国 福島康次 獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科 林野関連事業者のハチ刺傷に対する全身性アナフィラキシー反応出現時のアドレナリン自己注射の使用状況)

職業上ハチ刺傷リスクが高いことへの組織的管理状況として、
健康診断等でハチ毒 特異的 IgE 抗体を測定している支部は
林業機関では約 37%(11/30 支部)、
養蜂協会各支部では実施されておらず、
アドレナリン自己注射薬処方 について医療機関への受診を積極的推進している支部は
林業機関 では約 33%(10/30 支部)、
養蜂協会では 1 支部のみ、
と、職業上、ハチ刺傷機会が多い組織管理者における意識向上、雇用者との連携の重要性も示唆されています(出典・参照:長谷川智貴 廣川尚慶 平田博国 福島康次 獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科 日本の林野関連事業者と養蜂家におけるハチ刺傷に対するアナフィラキシーの組織的管理)。
ハチ刺傷に関しては、よろしければ以下なども併せてご覧ください。

ハチ刺傷経験と症状、特異的IgE抗体値の状況
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3752
ハチ刺傷~土中の巣
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4279

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