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同じ魚と認識されている中での症状の違い

2022.11.16

投稿者
クミタス

魚によるアレルギーにおいては、様々な魚の中で摂食可能な魚がある場合や、出汁やツナ缶など魚加工品によっては摂食可能な場合もありますが、同じ魚と認識されている同一科内の魚でも耐性が異なる可能性もあります。

3歳男児。1歳の時カレイを摂取し、90分後に嘔吐を複数回認めた。同様のエピソードが二回あり前医を受診しカレイの除去を指導された。2歳になりマガレイを用いて食物経口負荷試験を行いながら、30gまで摂取できた。自宅でマガレイをカラスガレイで代替した際に嘔吐を認めたため、精査目的で紹介となった。経過中にクロガレイ、アサバガレイは摂取出来ていた。カラスガレイ6gの食物経口負荷試験を行い、210分後に嘔吐・活気低下あり陽性と判定された。カレイ特異的IgEは陰性、リンパ球刺激試験 のStimulation Index(S.I)はカラスガレイは2.1、マガレイは0.6であった(出典・参照:塚原歩 藤田真弓 津曲俊太郎 岡本義久 高増哲也 犬尾千聡 聖マリアンナ医科大学 神奈川県立こども医療センターアレルギー科 くまのこキッズアレルギークリニック カレイ科の中で異なる耐性を示したカラスガレイによるFPIESの幼児例)。

上記は同じカレイ科であるクロガレイ、アサバガレイ、カラスガレイ、マガレイのうち、実際に食物蛋白誘発性胃腸症の症状が出現したのはカラスガレイのみであった例になりますが、同じ科の中でも症状有無に違いがある場合があることにもご留意いただけると良いかもしれません。アレルギー反応において加熱程度、加工食品の違いにより違いがある場合もありますが、魚類の食物蛋白誘発性胃腸症における症状有無や症状程度の違いの原因可能性について、今後も情報があり次第、掲載したいと思います。

魚類による食物蛋白誘発胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4003
魚によるアレルギー~カレイ、ヒラメ
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3687
魚アレルギー~摂取可能な魚、魚加工品がある場合も
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2811
キハダマグロのアレルゲン
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3441

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