洗濯用洗剤を使用していて症状出現することがあります。今回は洗濯用洗剤による影響可能性に関する報告をいくつか掲載します。

・喘息様気道炎症
「洗濯用洗剤などに含まれる界面活性剤が、気道上皮細胞に直接作用し、上皮細胞から放出される炎症物質（IL-33）を誘導することにより喘息様気道炎症（喘息のような症状を伴った気道の炎症）を引き起こす」
https://www.ncchd.go.jp/press/2023/0516.html　
マウスでの試験で、洗濯洗剤を３日間連日吸入後、IL―33 依存的な好酸球性気道炎症が惹起され、この機序には IL―33、ILC2、２型サイトカインが関与していた。また抗酸化物質の前投与により好酸球性炎症は抑制された（出典・参照：斎藤杏子、藤枝重治 福井大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科、成育医療研究センター免疫アレルギー・感染研究部 洗濯洗剤吸入によって引き起こされる好酸球性気道炎症についての検討）、などの報告も。

・接触皮膚炎
消毒剤の成分に反応し皮膚症状を生じることがあり
消毒剤による反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4436
成分の1つであるベンザルコニウム塩化物（塩化ベンザルコニウム）による反応については、以下ページでも掲載しておりますが
ベンザルコニウム塩化物（塩化ベンザルコニウム）による反応①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4532
洗濯衣類の生乾き臭予防目的に使用されたオスバンSⓇ（10％塩化ベンザルコニウム液）による接触皮膚炎の例も見られています。
約1年のオスバンSⓇ使用歴がある2人において、衣類の密着部位に一致した特異な浮腫性紅斑と強い色素沈着が生じており、前医で診断と治療に難渋していましたが、オスバンSⓇ（10％塩化ベンザルコニウム液）の使用中止により速やかに皮疹は軽快しています（出典・参照：洗濯衣類消臭目的のオスバンSⓇ（塩化ベンザルコニウム）不適切使用による接触皮膚炎の2例）。

宜しければ、併せて以下もご参照ください。
香料による頭痛、気道過敏性の亢進
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3841