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小麦粉使用下での経口ダニアナフィラキシー(OMA)

2022.11.29

投稿者
クミタス

お好み焼き粉、パンケーキミックスなどのミックス粉やかつお粉など粉製品の開封後にダニが繁殖し、この繁殖した粉製品を調理し摂食した後に、ダニ経口摂取によるアレルギー症状が出現することがあります。

13歳男児。アレルギー性鼻炎・気管支喘息・エビによる口腔アレルギー症候群の既往あり。自宅で調理したとんかつ摂取後にアナフィラキシーを発症し,アドレナリン筋肉内注射にて改善した。3か月後、お 好み焼き粉(開封後常温保存)を使用したチヂミ摂取後に同エピソードを認めたためた。問診により、とんかつ調理に用いた小麦粉は開封後常温保存していたことが判明した。血液検査ではダニ特異的IgE抗体価の上昇を認め、皮膚プリックテスト、好塩基球活性化試験では開封後小麦粉(とんかつに使用)とお好み焼き粉(チヂミに使用)が陽性、未開封品では共に陰性であり、開封後の小麦粉・お好み焼き粉による経口ダニアナフィラキシー(OMA)と診断された(出典・参照:飛田睦 本間瑶子 後藤海人 小黒詩織 木谷好希 塚原歩 古藤優貴 吉村博 聖マリアンナ医科大学病院小児科 とんかつ調理に用いたダニ汚染小麦粉を摂取し,アナフィラキシーを発症した学童例)。
上記においては
・小麦粉以外の成分を含むミックス粉のみでなく、小麦粉製品が原因となる場合もある
・揚げ物調理など、パンケーキと比較すると少量での粉製品使用下で症状出現する場合もある
ことが示唆されています。

経口ダニアナフィラキシー(OMA)は、通年性のアレルギー性鼻炎や喘息などの吸入性のダニアレルギーのある方での症状出現傾向があり、くしゃみ、咳、鼻づまり、喘鳴、息苦しさ、呼吸困難など吸入性ダニアレルギーで生じやすい症状が主に生じることが多いと見られています。
小麦粉や粉製品を複数回に渡り使用と保管を繰り返す場合は、保管する粉製品中に他の食品や成分なども入らないようにしながら使用し、開封後は密閉し冷蔵保存できるのが望ましいでしょう。

開封後の粉製品のダニ繁殖を抑えるのに適した温度とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2125
粉製品以外の食品中からも検出することがあるダニ、虫
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3619
ダニ抗原経口摂取によるアレルギーにおいて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2638

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