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温湯清拭による影響

2025.03.31

投稿者
クミタス

黄色ブドウ球菌,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌などの皮膚常在菌は、感染性心内膜炎、皮膚感染、尿路感染、カテーテル関連感染症など日和見感染や医原性感染の主な原因菌となることがあります。皮膚を清潔に保つ目的でエタノール消毒綿や温湯タオルなどで身体を拭くことがありますが、温湯タオルでの清拭において微生物の除去能はどの程度なのでしょうか?
温湯での清拭、アルコール消毒、清拭後にアルコール消毒にて前腕の洗浄度を比較したところ、
温湯での清拭:レーヨン・ポリエステル素材のウォッシュクロス(30×30cm)を 40℃の温湯に浸したものを使用し、横に持ちねじりながらしぼる横絞りで清拭時に皮膚に水滴が残らない程度にしぼり、ウォッシュクロスは16折にし、皮膚部位を中央で左右に分け、2回に分けて拭き取った後,クロスの清拭面を替え、同様に2回に分けて拭き取り
アルコール消毒:室温で個包装された状態で保管された83%エタノール含有消毒綿を使用。消毒綿の大きさが4×4cmであったため、調査部位を中央で左右に分け、2回に分けて拭き取った後、消毒綿の清拭面を替え、調査部位を同様に2回に分けて拭き取り
清拭後にアルコール消毒:温湯清拭後に、上述の消毒の方法と同様に 83%エタノール含有消毒綿を用いて2回消毒
微生物のみでなく,汗などの生体成分や有機物の除去能として、温湯での清拭と温湯での清拭後にアルコール消毒で大きな差はなく、温湯を用いた清拭によって皮膚細菌数が有意に減少する報告も見られています(出典・参照:温湯清拭による皮膚洗浄度の検討―アルコールを用いた消毒との比較)。
清拭については、また他の報告も掲載したいと思います。

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