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薬剤による反応において

2023.06.28

投稿者
クミタス

体内に吸収された薬剤が本来示す作用ではない症状・所見を示す場合、以下ケースなどが考えられています。

・薬剤アレルギー
薬剤または代謝産物がアレルゲンとなり、アレルギー反応を示します。比較的多い原因薬剤としてはペニシリン系抗菌薬、プラチナ系抗がん剤などが挙げられています。
薬剤アレルギーにおいては、Ⅰ型(即時型)、Ⅱ型(細胞傷害型)、Ⅲ型(免疫複合体型)、Ⅳ型(遅延型)の分類も見られています。

・非アレルギー性反応
薬剤が直接細胞に作用し化学伝達物質を放出し症状を誘発します。出現例が多い薬剤としては、造影剤、ニューキノロン系抗菌薬が挙げられています。

・薬剤不耐症
常用量など少量の薬剤を摂取したにもかかわらず、薬理作用が増強し過大に症状が出現します。NSAIDs過敏喘息などが挙げられます。

・特異体質反応
遺伝的に規定された代謝異常で生じる反応。

体内に吸収された薬剤が本来示す作用ではない症状・所見を示すことが引き金になり、何らかの原因でヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)やサイトメガロウイルス等のウイルスが再活性化してさらに、皮疹、発熱、臓器障害などが生じ、症状が長引いたり重症化することがあります。原因となる薬剤は比較的限られるとの示唆もあり、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ゾニサミド(抗てんかん薬)、アロプリノール(痛風治療薬)、サラゾスルファピリジン(サルファ剤)、ジアフェニルスルホン(抗ハンセン病薬・皮膚疾患治療薬)、メキシレチン(不整脈治療薬)、ミノサイクリン(抗生物質)などの薬剤を使用していて発症したとみられる報告もなされています。
薬剤性過敏症症候群にてウイルスの関与するタイプについても今後アップデートしていきたいと思います。

出典・参照:竹之下秀雄 藤山幹子 橋本公二 薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome)の1例
アレルギー総合ガイドライン2022

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