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食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)との鑑別〜肥厚性幽門狭窄症

2026.09.10

投稿者
クミタス

食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)は、IgE依存性の食物アレルギーや感染性腸炎、敗血症・敗血症性ショック、腸重積、代謝性疾患(尿素サイクル異常など)、食道閉鎖・腸閉塞などの器質的疾患、そして肥厚性幽門狭窄症(HPS)などと鑑別が必要になることがあります。

日齢23の女児。日齢7から嘔吐、日齢9から発熱を認め誤嚥性肺炎が疑われ哺乳を中止した。症状改善後、経管栄養を再開したが嘔吐が再燃した。前医の腹部超音波検査で幽門筋肥厚を認め、HPSが疑われ手術目的に当院へ転院した。当院では腹部超音波検査で幽門筋肥厚は認めなかったが、上部消化管造影検査で幽門以降に造影剤は流れず、幽門狭窄を認めた。前医で哺乳を中止すると嘔吐がなかった点、経鼻十二指腸チューブで人工乳を注入しても嘔吐が続いていた点から牛乳蛋白によるFPIESを疑い、日齢30に経管栄養を大豆乳に変更した。変更翌日以降から症状及び幽門狭窄所見は改善した。アレルゲン特異的リンパ球刺激試験はκ-カゼインとラクトフェリンが陽性であった。後日、牛乳の経口負荷試験で嘔吐や腸管壁の肥厚を認め、FPIESと確定診断した。FPIESによる幽門狭窄は少数報告されている。全例抗原除去で改善した一方、HPSとして手術された例も多く、新生児期の幽門狭窄の原因としてFPIESも鑑別すべきである(出典・参照:藤代彩花, 池田樹央, 樋口徹, 奥村俊彦, 伊藤健太 肥厚性幽門狭窄症が疑われた食物蛋白誘発胃腸炎の乳児例)。
 
上記は肥厚性幽門狭窄症(HPS:hypertrophic pyloric stenosis)を当初疑われたが,食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES:food protein-induced enterocolitis syndrome)による幽門狭窄と診断された例になります。

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