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2015.03.27
ゴキブリの糞、体液、死骸がアレルゲンとなり、くしゃみ、鼻水、眼のかゆみ・涙、皮膚のかゆみ、呼吸困難といった症状、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性湿疹を引き起こす恐れがあります。
ゴキブリの糞、体液、死骸が存在する箇所としては、まずキッチンが挙げられますが、ほこりやふけ、毛髪が溜まる、付着しやすい場所もゴキブリが存在、存在した痕跡があり糞、体液、死骸が溜まりやすいと言われています。
日本国内での喘息児の特異IgE陽性率はクロゴキブリ16%、チャバネゴキブリ9.9%との報告があります。併せてダニは85%とあり、ダニに比べると低い数値です。
また日本では、蛾(ガ)やチャタテムシ(本の中にいるシラミ様の昆虫)の方が、CAP-RAST陽性率が高いとの報告があります(チャタテムシ23.5%、セスジュリカ23.5%、カイゴガ39.2%、クロゴキブリ15.7%、チャバネゴキブリ15.7%)。
ダニに比べると、日本ではゴキブリアレルゲンに感作する率は低いと言えますが、海外で衛生環境の良くない地域においては、喘息児のゴキブリアレルゲンへの特異IgE陽性率は40~50%以上とより高い数値の報告もあります。イギリスでの一報告としては「ゴキブリアレルゲン量が多く検出される家屋の子供のほうが、全く検出されない家屋の子供に比べ26倍喘息に新たに発症しやすい」との意見も示されていますが、ゴキブリアレルゲンの量が多い環境には、ゴキブリ以外の虫のアレルゲンや、室内の食物アレルゲン、カビなども含めてのアレルゲン量が多くなっている可能性も考えられます。
アレルゲン量の多い環境においては、マスクなどでの吸入量の低減対策、清掃によるアレルゲン量の低減を心がけることが対策の1つに挙げられます。
ゴキブリにはトロポミオシンが含まれます。同じ節足動物のダニにも含まれ、エビ、カニに含まれるトロポミオシンと、交差反応性も示唆されています。
吸引性のアレルゲンとして以外にも、接触して発疹などの症状が出現する可能性もありますので、留意しておきたいところです。
参考)日本の喘息児におけるゴキブリアレルゲンに対する感作状況 1994
参考)室内環境中のダニ・昆虫とアレルギー疾患
https://www.jstage.jst.go.jp/article/siej/12/2/12_87/_pdf
参考)ゴキプリアレルギーに関する研究 マウスにおけるlgE抗体の産生
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