Author クミタスさん
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2015.07.11
アレルギーが要因で下痢になることもありますが、下痢になる原因は様々にあります。
下痢が頻発する場合も、その原因がいつも同じでないこともあり、何が原因でおこっているのかわからないこともあるかと思います。
下痢がおこる主なメカニズム、原因としては以下等があります(文献により異なる分類のものもあります)。
①分泌性下痢
腸内の炎症や毒素、薬物、ホルモンによる刺激により腸管粘膜から水分が多く出ることで下痢になる
・食物アレルギー
・ウイルス性腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなどが原因)
・細菌性腸炎(病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ桿菌などが原因)
・食中毒(細菌、ウイルス以外に自然毒、化学物質、寄生虫も要因に)
・薬物、毒物など(例:キニジン、キニン、コルヒチン、SSRI、コリンエステラーゼ阻害薬、ヒマシ油、プロスタグランジン、許容範囲を超えた農薬や漂白剤、化学薬品の使用・混入、カビ毒、敏感な方にとっては一部の添加物など)
・薬剤による影響(抗生剤使用時に有用な細菌も死滅する場合など)
・腸の疾患(潰瘍性大腸炎、大腸がん、クローン病、虚血性腸炎など)。疾患によって生じた血漿や粘液などにより下痢になることがあります
②浸透圧性下痢
消化されにくい成分が腸管内にあることで、腸内の浸透圧が上がり、腸管内に水分がたまって下痢になる
・乳糖(乳糖不耐症)
・糖アルコール(ソルビトール、マンニトール、キシリトール)
・果糖(ぶどう糖より多く含む場合。腸管の吸収能力を上回る果糖を含む果物類などの摂取。ぶどう、りんご/紅玉など除く、びわ、梨、デーツ、いちじく、蜂蜜、ナッツなど)
・アルコール
・一部の吸収されにくい脂肪・油脂
・一部の下剤(マグネシウムをを含むもの)
③単純性下痢
・消化不良
(食べ過ぎ、早食い、就寝前の食事、酸化の進んだ食品などによる消化不良)
・刺激
(辛いもの、カフェイン、冷たいものの飲食)
・ストレス
⇒③の中には①に該当するケースがあります。
④脂肪性下痢
・膵酵素欠損や失活、胆汁酸の代謝異常(肝障害やミセル形成不全あるいは腸肝循環障害)、腸内細菌異常増殖により、脂肪の吸収障害が発生し下痢をする
・慢性膵炎
(中鎖脂肪酸は胆汁酸によるミセル化が不要で速やかに吸収されるため脂肪性下痢は比較的起きにくいと言われています)
⑤運動異常性下痢
腸管運動が高まってしまい、食物の吸収が間に合わず下痢になる
・小腸・大腸切除術、胃切除術
・甲状腺機能亢進
・過敏性腸症候群
・下痢止剤
・乳酸菌製剤
⑥腸管運動低下型下痢
腸管運動が低下することで腸内細菌の増加、脂肪吸収の遅れ、腸液分泌増加により下痢になる
・糖尿病
・甲状腺機能低下
・腸の狭窄、憩室
・下痢止剤
・抗生物質
・抗菌剤
・消化酵素が流出する可能性
下痢便内には消化酵素も含まれます。消化酵素の中には20歳代以降、新たに産生されにくくなるものもあり、頻回の下痢により腸内から消失してしまう酵素もあります。その消化酵素とは乳糖を消化するラクターゼで、ラクターゼが無くなると乳糖不耐症の症状が強く出るようになります。
・痔ろうになりやすくなる可能性
通過するときに何らかで傷ついた肛門粘膜に便がしみこみ、肛門の傷口からバイ菌(大腸菌など)が入ってしまう事で痔ろうになりやすくなります。
・直腸がんになりやすくなる可能性
直腸がん患者さんの症状に下痢、軟便を繰り返す、便秘などが挙げられ、まだ調査分析過程ではありますが下痢、軟便を繰り返す人に直腸がんリスクがあるかもしれないとの見方もあります。
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/291.html
・栄養不良状態になる可能性
2週間以上下痢をおこす場合は、栄養不良になる場合があります。
下痢を頻発し、その原因がわからない場合、上記を参考に生活を振り返り原因となるものがあるかを確認し、出来る対応をおこなっても改善しない場合は速やかに受診するなど対策していきたいですね。
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