1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

豆乳と花粉~シラカンバ、ハンノキ花粉以外との関連可能性 7.17更新

2018.07.15

投稿者
クミタス

大豆のアレルゲン


豆乳にアレルギー症状がある場合、シラカンバ花粉、ハンノキ花粉アレルギーと関連するGly m 4、またはGly m 3がアレルゲンとなっていると考えられています。また豆乳にアレルギー症状がある場合、特異的IgE抗体値はGly m 4には陽性でも、大豆には陰性である場合もあります。

大豆の主要なアレルゲン
・貯蔵タンパク質(7Sグロブリン)   Gly m 8
・貯蔵タンパク質(11Sグロブリン) Gly m 5  熱耐性があり全身性の症状を起こしやすい
・貯蔵タンパク質(2Sグロブリン)   Gly m 6  熱​耐性があり全身性の症状を起こしやすい
・PR-10  Gly m 4  シラカンバ花粉、ハンノキ花粉症患者さんにおけるPFAS(花粉‐食物アレルギー症候群)に主に関連
・プロフィリン Gly m 3  
・LTP Gly m 1  熱耐性があり全身性の症状を起こしやすい。吸入性アレルゲンとも見られています。
・ディフェンシン Gly m 2
・種子特異的ビオチン化タンパク質 Gly m 7

上記以外にもアレルゲンが存在する可能性もありますが、どのアレルゲンに反応するかによっても症状や、反応する大豆加工品に違いが現れることがあります。Gly m 4は、熱によりアレルゲン性が低減するものの、ある程度の熱耐性はあるとも見られており、特に豆乳に多く含まれ、ほかに柔らかい形状の豆腐、おぼろ豆腐から比較的に多く検出されることがあります。豆乳に反応する場合、Gly m 4が原因となることが多いとみられていますが、Gly m 4以外のアレルゲンも原因となっている可能性もあります。

納豆のアレルゲンは、粘りの主成分であるポリ-γ-グルタミン酸が重要なアレルゲンと考えられています。
納豆アレルギーについて~ポリガンマグルタミン酸
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1481

他の花粉との関連可能性


藤は大豆と同様のマメ科植物になりますが、藤の花まつりにでかけた際に、頸部や前胸部に発赤が出現し、2日後に豆乳を摂取し5分後から眼のかゆみ、鼻水、くしゃみ、喉のかゆみ、眼周囲の膨脹、呼吸困難が出現。特異的IgE抗体値はダニ、カモガヤ、大豆で陰性、スギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、Gly m 4で陽性。藤の花に曝露したことが、豆乳によるアレルギーを発症するきっかけとなったことが考えられるとの示唆も見られています。
沖縄などで見られるデイゴ、ハナズオウ、スイートピー、ルピナス(欧州では大豆の代替としても知られています)、ホウオウボクなどもマメ科植物になりますが、大量曝露後の豆乳摂取により症状が出現した場合は、関連が考えられるかもしれません。


出典・参照:各種吸入性抗原の感作と 口腔咽頭過敏症を起こす原因食物
藤の花粉への曝露が発症の景気になったと考えられる豆乳アナフィラキシーの症例

    {genreName}

      {topics}