米タンパク質には水溶性のアルブミン、塩可溶性のグロブリン、アルコール可溶性のプロラミン、アルカリ可溶性のグルテリンなどがあり、米(Oryza sativa)の吸入性アレルゲンとして、Ory s 1、Ory s 12(プロフィリン)などが挙げられます。
米ぬかによるアレルギーについては以下でも掲載していますが、
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3181
離乳食開始後におかゆを摂取して消化器症状などが出現することがあります。
・米によるアレルギーと考えられた例
8か月女児にて生後6か月時に粥を摂食し2時間後に嘔吐、顔色・全身状態不良となり、1時間に改善。卵白特異的IgE 14.1UA/mL、米特異的lgE O.53UAfml、小麦特異的lgE O.55UA/mL、市販レトルト粥を用いた負荷試験は陰性だったが、自家製粥を摂食後に同様の症状を呈したため米アレルギーと診断し、米除去とした。生後11か月時に市販レトルト粥、自家製粥による負荷試験で陰性化を確認、除去を解除した。
・米による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と考えられた例
6か月男児、離乳食を開始し1週間後に、おかゆ摂取から2時間を経て嘔吐を繰り返した。おかゆの摂取を中止すると症状は警戒し、再度摂取すると嘔吐したため受診。米特異的IgE、プリックテストは陰性で、食物経口負荷試験では、かゆ摂取2時間後から嘔吐を繰り返した。
・米による食物蛋白誘発直腸大腸炎(FPIAP)と考えられた例
5か月半の男児。米粥を小さじ1 杯程度から開始したところ摂取4 日目より血便を認め、母の判断で米粥が中止された。中止6 日後に血便は消失したため同日より米粥を再開したところ翌日より血便が再燃し、近医より紹介となった。入院し栄養を母乳のみとしたところ速やかに血便は消失した。退院後、生後6 か月時に施行した経口食物負荷試験では、7 分粥2g を単回負荷した6 日後から血便が出現し、米によるFPIAP と診断された。
新生児-乳児消化管アレルギー(新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎)においては牛由来ミルク、母乳が原因として多く、離乳食開始後における原因食物として米は10%ほど、大豆(5%)、鶏卵(数%)、小麦(少数)、魚(少数)、肉(少数)との示唆もあります。
成人においても、米飯摂食後に症状出現することがあり、10カ月前に妊娠が発覚した頃、4日間連続して米飯を食べた直後に全身の紅斑が出現したことがあり米の摂取を中止していたが、1か月前に出産し、米飯を一度だけ摂取した際に咽頭違和感を自覚、1週間前には米飯、豆腐サラダ、サバの味噌煮を摂取して30分後に咽頭の違和感と閉塞感が出現した報告例なども見られていますが、今後もアレルゲン、症状出現のメカニズムなどについても掲載していきたいと思います。
出典・参照:レトルト粥と自家製粥で症状誘発の乖離を認めた米アレルギーの一乳児例
パッチテストが有用と考えられた米アレルギーの一乳児例
経皮感作による発症が疑われた米アレルギーの1例
白橋徹志郎 宮澤英恵 吉田瑛子 村岡正裕 松田裕介 栂暁子 東馬智子 和田泰三 金沢大学医薬保健研究域医学系小児科 米粥摂取後の血便症状を繰り返し米によるFPIAP と診断された1 例
2016/1/12 新生児-乳児消化管アレルギー(新生児-乳児食物蛋白誘発胃 腸炎)診断治療指針
様々なタイプのある新生児-乳児消化管アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1773
卵黄に症状が出現する場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2801
ライスヌードル 塩味
153kcal/1食
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Mayu Ishikawa
野菜にフレッシュ感があり…