超音波検査時に検査部位に塗布するゼリー（ジェル）による皮膚炎の例について、以下で掲載しておりますが、
超音波検査用ジェル塗布後の皮膚炎～フェノキシエタノール
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4088　
今回は心電図モニターシールによる皮膚炎と考えられる例を掲載したいと思います。
 
・35歳男性。心電図モニターシールの貼付部位に浸潤のある紅斑が出現した。パッチテストで製品本体とアクリル樹脂成分の 2-hydroxyethyl acrylate（2HEA），2-hydroxyethyl methacrylate，ethylene glycol dimethacrylate，triethylene glycol dimethacrylate が陽性だった。

　2-hydroxyethyl acrylate（2HEA）　
　　　2-ヒドロキシエチルアクリレート（アクリル酸2-ヒドロキシエチル）
　2-hydroxyethyl methacrylate　
　　　2-ヒドロキシエチルメタクリレート（メタクリル酸2-ヒドロキシエチル）
　ethylene glycol dimethacrylate （EGDMA）
　　　ジメタクリル酸エチレングリコール
　triethylene glycol dimethacrylate
　　　トリエチレングリコールジメタクリラート
 
・72歳男性。心電図モニターシールの貼付部位に浸潤のある紅斑が出現し、パッチテストにて製品本体、2-hydroxyethyl acrylate（2HEA）　が陽性だった。

上記お二人とも心電図モニターシールの接着剤のアクリル樹脂成分によるアレルギー性接触皮膚炎と診断されています。
アクリル樹脂成分による皮膚炎については以下でも掲載しておりますが、接着剤、歯科充填物、歯科合成レジンなど歯科材料、医療領域においても使用されていることがあり、様々な感作経路から症状出現する場合がありますので、ご留意ください。
アクリル酸エステルによる接触性皮膚炎～アクリル樹脂、レジン
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2806　

出典・参照：羽鳥由夏 藏野美夏 川喜田遥香 伊藤美佳子 小林桂子　水戸赤十字病院皮膚科　心電図モニターシールによるアレルギー性接触皮膚炎の2例