市販の油性マーカーペンも接触皮膚炎の原因となることがあります。
油性マーカーペンによる接触皮膚炎においては、以下などが原因物質に挙げられています。
・ロジン関連化合物(コロホニウム、アビエチン酸、水添ロジン酸グリセリンエステル、ロジン酸グリセリンエステル)
・樹脂成分
・植物油成分
・溶剤(アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤など)
・酸化防止剤(BHTなど)
・色素および色素分解産物
・金属成分(硫酸ニッケル、金チオ硫酸ナトリウム、塩化第二水銀)
40代女性。放射線治療時に市販の油性マーカーペン(マーカーペン)を用いて照射部位にマーキング,適宜追記していた所,約1ヵ月後よりマーキング部位に一致したそう痒性の紅斑丘疹とマーキング部以外の前腕や大腿にも紅斑丘疹を認めた。マーカーペンによる接触皮膚炎症候群を疑い,マーカーペン(太型4色細型1色の5種類)やJapanese baseline series(JBS)等のパッチテストを施行,マーカーペン太型の黒,赤,青色が陽性,太型の紫色と細型の黒色が陰性,JBSではロジン,硫酸ニッケル,金チオ硫酸ナトリウム,塩化第2水銀が陽性.インクの成分を分析し,インク成分(ロジン,樹脂成分,植物油成分,溶剤,酸化防止剤,色素,色素分解成分など)とロジン関連化合物(藤田医科大学特定臨床研究試薬)のパッチテスト施行,コロホニウム,アビエチン酸,ダンマル樹脂が陽性.ロジン関連化合物とダンマル樹脂は,パッチテストで陽性を示したマーカーペン太型の黒,赤,青色にのみ含有され原因成分と考えた。
ロジン関連化合物のパッチテストでは水添ロジン酸グリセリンエステル,ロジン酸グリセリンエステルでパッチテスト陽性であった(出典・参照:欠田成人 杉山真理子 松永佳世子 石村豊 沼田充 佐々木和実 済生会松阪総合病院皮膚科 元藤田医科大学医学部アレルギー疾患対策医療学 ロジン関連化合物とダンマル樹脂による,市販の油性マーカーペンによる接触皮膚炎症候群の1例 SSCI-Net3 製品評価技術基盤機構)。
油性ペンの色によって色素および色素分解産物が異なり、それ以外にも色素を分散させるための樹脂、色素を溶かす溶剤、色の安定性を保つ添加剤、色素の沈降を防ぐ界面活性剤などが異なり、油性ペンの色によっては症状が出現しない場合もあります。
皮膚に油性ペンでマーキングをして複数日マーキングが皮膚に残っていて接触皮膚炎を起こす場合、マーキング部位に一致した紅斑丘疹がまず出現、その後、マーキング部位以外にも紅斑丘疹が拡大することがあります。また接触皮膚炎について掲載したいと思います。
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